午後8時台に「点検」の怪
「威嚇」「誤射」同じ警官か

2026年09月号

2つの“事件”は、まったく繋がりのない話題であるかのように報道発表された(千歳市の札幌方面千歳警察署)

千歳署内で巡査部長の拳銃暴発恵庭・刃物騒ぎと同じ日の夜に

本誌前号発売直後の7月中旬、北海道内の警察署で2件の報道発表があった。1つは事件捜査に伴う威嚇射撃の経緯を伝えるもので、もう1つは警察署内で起きた拳銃暴発事故の発表。いずれも地元報道大手が活字や電波で伝えることになったものの、2つの事案の無視できない共通点に触れたニュースは今のところみあたらない。本稿はおそらく初めて、その疑いを伝える記事となる――。
取材・文=小笠原 淳

週末の夕刻、住宅街騒然


 恵庭市の中心市街地から1kmほど離れた住宅街。目抜き通りに面した一角に居を構えて50年以上になるという女性は「初めて拳銃の音を聴いた」と、その晩を振り返る。
「庖丁持った女の人が道路の真ん中に立ってて、お巡りさん2人くらいで話しかけてたの。鉄砲撃った時の『バーン』っていう音、窓閉めててもわかったよ。たまに聴こえる自衛隊の訓練の音とは全然違ったから」
 同じ道の対面に並ぶ公営住宅の1棟、3階の一室に居住して10年ほどになるという男性(77)も、自室の居間でその発砲音を耳にした。
「撃った瞬間は見てなくて、ただ『パーン』っていう音は聴こえた。うちからは街路樹の陰になってちょっと見えにくいんだけど、撃った後で警官が女の人を取り押さえてるらしいのはわかったわ」
 現場近くで一部始終を目の当たりにしたのは、町内の事業所に勤務する会社員男性(52)。スマートフォンには自ら撮影した数秒間の動画が残るが「拳銃発砲の瞬間は撮影どころではなかった」といい、スマホを手にしたのは刃物を持った女性が警察に身柄を確保されるころだった。
「ちょうど小・中学生の下校時間帯だったんで、怪我人が出なくてよかったと思います。ぼくが見た時はお巡りさんが2人いて、1人は庖丁の女の人と向かい合って警棒のような物を持ってて、もう1人がちょっと離れた位置で拳銃を構えてた。その人が『撃つぞ』と警告して、空に向けて1発撃ったんです。真上でなく、向かいの団地の上空あたりに向かって、斜め上のほうへ」
 7月17日夕、恵庭市恵央町。金曜日の住宅街を騒がせた刃物事件は、翌土曜日の早朝にその概要が報道発表されることになる。


画像奥の集合住宅の上空へ向けて発射されたという銃弾は、今なお発見されていない(7月17日夕、恵庭市恵央町)=目撃者撮影の動画から

画像奥の集合住宅の上空へ向けて発射されたという銃弾は、今なお発見されていない(7月17日夕、恵庭市恵央町)=目撃者撮影の動画から

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