地元紙で拡がる社内不信〈2〉
被害者は女性記者

2026年07月号

わいせつ事件は 2024年7月に発生、記事として報じられたのはそれから2年弱が過ぎるころだった
(札幌市中央区の北海道新聞本社)

道新記者が不同意わいせつ
自社紙面には「知人」の表記


地元ブロック紙でまたしても発覚した、無視できない不祥事。現職の男性記者が起こした不同意わいせつ事件を伝える記事で、北海道新聞はわいせつ行為の被害者が自社の女性記者である事実を伏せて報道した。加害者への社内処分が不自然に軽い制裁だったことも明かされず、社のコメントでは読者や被害者への謝罪が不在。女性社員の人権や安心・安全の担保よりも優先されるべき何かが、その職場にはあるようだ。

取材・文=小笠原 淳

ないないづくしの第一報


 5月16日付の『北海道新聞』第2社会面に掲載された40行たらずの記事は、語られる問題の本質をおよそ伝えきれていなかったと言ってよい。あまつさえその文中には誤った事実も含まれていたが、のちの紙面に訂正や謝罪などが掲載されることはついになかった。
 問題の記事が伝えたのは、自社の記者による不同意わいせつ事件。道新編集局の男性記者(49)が2024年7月に札幌の飲食店で「知人女性」に同意なくキスしたとして、本年5月に書類送検されたという。現場には「別の男性」もおり、加害者の記者はその男性が「席を外した隙に」わいせつ行為に及んだとされる。記事の末尾には同社経営管理局のコメントが添えられ、事後に本稿記者が道新に取材を申し入れた際にも同コメントをもって社の見解とする趣旨の回答が返された。全文を、左に引いておく。
《社員が書類送検された事実を重く受け止めています。当該事案につきましては、社内の調査を実施し、すでに社内規定に基づいた処分を実施しております。再発防止に向けて社員への啓発を徹底してまいります》
 ところが。
 語られる「社内の調査」で確認できた筈の重要な事実が、その記事では伝えられていなかった。不同意わいせつの被害者と、その現場にいたという第三者――、即ち記事中に「知人女性」及び「別の男性」との表現で記されていた人物は、いずれも道新の記者だったのだ。

道新記者が不同意わいせつ
自社紙面には「知人」表記

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なぜ被害者の女性記者を「知人」と記したのか、道新上層部の真意は定かでない
(5月16日付『北海道新聞』紙面)
※ 画像加工は本誌

記事内容についての問い合わせは、すべて回答を得られなかった=本稿記者が道新へ寄せた質問(左)と、道新からの回答
※ 画像の一部加工は本誌

なぜ被害者の女性記者を「知人」と記したのか、道新上層部の真意は定かでない
(5月16日付『北海道新聞』紙面)
※ 画像加工は本誌

記事内容についての問い合わせは、すべて回答を得られなかった=本稿記者が道新へ寄せた質問(左)と、道新からの回答
※ 画像の一部加工は本誌

道新記者が不同意わいせつ
自社紙面には「知人」表記

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