「旭川いじめ凍死事件で和解成立」に思う── ②
顧みられない少女の苦しみ
和解成立で遠のく真相解明

手記を寄せた上野和幸市議
旭川市議会議員 上野和幸氏
2021年3月下旬に旭川市内の公園で凍死体となって発見された廣瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)の遺族が同市を相手取り1億1500万円の損害賠償を求めた訴訟で3月26日、遺族側に総額7千万円を支払う内容の和解が成立した。先月号で既報のように裁判では、市が当初から責任と支払い義務を認めていたため金額の折り合いが主な争点だった。
だが、この決着に複雑な思いと憤りを抱えているのが、旭川市議会議員の上野和幸氏(70・2期)だ。この上野氏は市議になる前、40年近く教育現場に携わっていた人物。廣瀬さんが在籍していた旭川市立北星中学校などで教鞭を取ったほか、教頭や校長の管理職も数多く経験した「教育のプロ」である。学校現場を肌で知る上野市議は、「旭川いじめ凍死事件」が起きた直後から当該生徒の心情に寄り添うことが何より大事として、事件の解明に向け独自に調査を続けてきたことでも知られる。これまで本件について「いじめありき」「遺族ありき」で進められてきた印象が強い旭川市の行政対応に警鐘を鳴らし続けてきた上野市議が、今回の和解を受けて手記を本号に寄せた。「私は、今回の和解成立で事案の真相が闇へ葬られてしまう危機感を強く持っている──」
(本誌編集長・工藤年泰)
「誰もわかってくれない」

廣瀬さんが凍死体で発見された現場付近
(旭川市の永山中央公園)

廣瀬さんが入学した旭川市立北星中学校
廣瀬さんが凍死体で発見された現場付近
(旭川市の永山中央公園)
廣瀬さんが入学した旭川市立北星中学校
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