
昨年10月にシンガポールで開かれた「CAPA エアラインリーダーサミットアジア」(提供:CAPA事務局)
今年10月初め、新千歳空港を会場に航空業界に特化した市場分析と戦略情報を提供するCAPA(本部・オーストラリア)が主催する国際会議「CAPAエアラインリーダーサミットアジア2026」が開かれる。道内7空港を運営する北海道エアポート(本社千歳・山﨑雅生社長、以下HAP)が誘致に成功したもので、同サミットの開催は日本では初となる。「グローバルエアポートデベロップメントフォーラム(GAD)」も同時開催され、HAPでは地域や関係機関と協力しながら世界中から訪れる参加者を迎える。記念すべき「千歳市空港開港100年」の年に開かれるビッグなイベントの概要を紹介する。
(2月20日取材)
1990年に設立され、オーストラリアに本部を置くCAPA(Centre for Aviation)は、航空・旅行業界で世界で最も信頼される市場情報を提供している民間のシンクタンク。世界中に約8千もの会員を擁しており、北海道エアポート(HAP)も会員になっている。
CAPAの親会社インフォーマは、航空・旅行業界以外のさまざまなジャンルの民間シンクタンクを傘下に擁し、世界的な国際会議などを展開している。
このCAPAが主催する「エアラインリーダーサミットアジア2026」は、新千歳空港国際線旅客ターミナルビルの「新千歳空港ポルトムホール」を会場に、今年10月1日・2日の日程で開催され、30カ国300人以上が参加する予定。企業トップによる講演や最新情報を共有するセミナーのほかテーマ別のディスカッションも行なわれる。
同サミットは、世界大会が毎年行なわれており、リージョナル大会としてアジア、アメリカ、ヨーロッパの各地域でもそれぞれ年に1回開催されている。今回は、そのアジア版にあたる国際会議。LCC(格安航空会社)関係に特化した「CAPALCCs イン ノースアジアサミット」は、2016年に成田国際空港、17年に関西国際空港で開催されたことがあるが、「CAPA エアラインリーダーサミットアジア」は、日本初開催となる。
同時開催の「グローバルエアポートデベロップメントフォーラム(GAD)」は10月1日のみの日程。世界中の空港運営会社のCEOや投資家が一堂に会し、空港の資金調達、管理、インフラ開発などをテーマに行なわれるネットワーキングイベントで、約百人の参加が予定されている。これら2つの国際会議の誘致にあたり、HAPはおよそ1年間かけて準備を進めてきた。
誘致に当たった同社・営業開発本部観光開発部の水口猛担当部長は、
「企画提案でライバルに競り勝って新千歳への誘致が決まり、日本初のCAPA国際会議が開催されることになりました。世界各国のエアライントップが新千歳に降り立ち、北海道を感じていただけるので、道内全体のPRになる。また決定権や影響力のあるトップが集まるので、人脈やネットワークを広げて路線誘致の足掛かりにしたい」と期待をこめる。
会議の前後には、空港周辺のゴルフ場でプレーするツアーをはじめ千歳川をカヌーで下り縄文文化などを体験するツアー、札幌の街歩きツアーなどを用意して世界各国から来道する参加者をもてなすことも検討されている。
同じく誘致に汗をかき、これまで数多くのCAPAの国際会議に足を運んできた営業開発本部旅客営業部のヴェンスキー恵光部長は、
「エアラインリーダーサミットは、フェイストゥフェイスで信頼関係を築ける貴重な機会。新千歳で国際会議を開催することで地元への直接的な経済効果があるほか、空港で国際会議ができることをPRできる意義も大きい」と話す。
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2025年の旅客数が国内線・国際線合わせて前年度比7.8%増の2583万6515人となり、1988年の開港以来、過去最多となった新千歳空港。おりしもさる1月には、カナダ最大の航空会社エア・カナダが新千歳・バンクーバー線を新規開設し、今年12月から来年3月にかけて直行便を運航することが発表された。これまで新千歳発着の国際線はアジア圏との定期便がほとんどだったが、道内のスキーリゾートへの世界的関心が高まる中で、新千歳への注目はますます高まることが予想される。
同空港としての源流は、1926年10月26日に村民の力で滑走路が整備された「着陸場」。そこからちょうど100周年にあたる今年に開催される航空業界の世界的国際会議は、新千歳空港の新たな発展の起点にもなりそうだ。