物流支え力尽きた命
「父の無念 晴らしたい」

2026年04月号

亡くなった男性が運転していた車輌のトレーラーヘッド(運転席部分)――これに長さ約12mの荷台を乗せて業務に就いていた=遺族提供
※ 画像の一部加工は本誌、以下同

業務中の突然死に労災不認定
遺族の裁判、札幌で弁論続く


「この現場が終わったら」――。トラック運転手の男性にとって、その仕事は“最後のキツい現場”になる筈だった。山を乗り越えた後には大きな慶事が控え、さらに半年ほどを経るころには負担の少ない仕事に移り、家族と過ごす穏やかな日々を見据えていた。その未来が不意に潰えたのは、4年前の春。自宅を出て1週間足らずの早朝、300キロメートル以上離れた地で男性は力尽きた。遺された家族が求める過労死の認定は、悲劇から5年めを迎えてなお叶っていない。

取材・文=小笠原 淳

長時間拘束、荷は手積み
「無敵の父」を奪った仕事


 その日、固定電話の子機を自室に持ち込んでいたのは「たまたま」だったという。
「朝早く、5時を過ぎたころに突然、それが鳴ったんです」
 札幌市の女性(42)がその電話をとったのは、空知管内の実家で過ごしていた2022年5月11日のこと。
「父の会社からでした。現場で倒れて、心臓マッサージをしてる状況だと。もう、頭を殴られたような感じで飛び起きて」
 トラック運転手の父は、つい6日前にトレーラーで道東方面へ向かったところだった。

網走に赴く2週間ほど前に出かけた家族旅行でのスナップが、最後の写真となった
(2022年4月18日)
=遺族提供

物流支え力尽きた命ー遺族の裁判
札幌で弁論続く

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「休憩」表記で埋め尽くされた、男性の『運転日誌』

父の一件を通じて労災の実態などを知った女性は「同じ立場で泣き寝入りしている人たちがたくさんいる筈」と確信している
(3月上旬、札幌市内)

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(2022年4月18日)
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