
就任2年目の伊藤理事長
(いとう・てつや)1976年標津郡中標津町出身。98年3月北海学園大学経済学部卒。同年4月に根室信用金庫(現・大地みらい信用金庫)に入庫し、以後2013年4月白糠支店長、16年4月経営企画部長、同年6月常勤理事、18年6月常務理事を経て24年6月理事長に就任
地域一体で「ガストロノミー」推進
大地みらい信用金庫(本店根室市)の2025年度中間仮決算は、貸出金の順調な伸びを背景にコア業務純益が9億円台に迫る水準となった。通期の純利益は6億円台と前期を上回るのは確実な状況だ。24年6月に就任した伊藤哲也理事長は、「シナプス経営」を念頭に「KONSEN魅力創造ネットワーク」の後継組織として「大地みらいイノベーション機構」を年度内にも立ち上げる考えを明らかにした。今回の根室特集で、伊藤理事長に中間仮決算の概況や札幌エリアの進捗状況、同機構創設の狙いを訊いた。
(12月22日取材 佐久間康介)
|将来の禍根となる評価損を圧縮
差別化図り順調な「山の手支店」|
──2025年度中間仮決算の状況はいかがですか。
伊藤 コア業務純益(預金や貸出金、為替業務などであげた利益から一時的な変動要因を除いた本来業務の収益)は、順調に9億円弱まで来ています。25年度では、将来のことを考えて評価損を出すロスカットを約4億6千万円行ないました。株の評価益を一部利用するとともに、利益の一部を使うことで対応しました。できるだけ将来に禍根を残さないようにしたい思っており、通期で9億円くらいのロスカットができれば良いと考えています。それを行なっても前期より多い6億円くらいの最終利益は出せるとみています。
──貸出金が平残(平均残高)でも7%と高い伸びです。
伊藤 理事長に就任してから、できるだけお客さまの先数を多くしようと取り組んでいます。経営が厳しい先も保証協会付でお貸しするようにして、単純にお断りしないようにしています。良い先も悪い先も、地元のお客さまと取引するスタンスを維持する考えです。
こまめに営業店の職員が回ってくれたことも新規融資に繋がりました。地方公共団体向け融資は、ずっと減らしてきたのですが、今は金利が付くようになってきたので、残高は維持しようということで、いつもの減り具合ではなくなりした。一般貸し出しの伸びと地方公共団体向け融資の下げ止まりで貸出しが伸びた形です。
──札幌圏や釧路圏の貸出金の伸びは、どのくらいですか。
伊藤 札幌圏も釧路圏も貸出しは伸びています。直近(25年12月上旬現在)では、釧路エリアが貸出金396億円で前年比35億円の増加、札幌エリアは289億円で、こちらも29億円伸びています。また、厚岸町が5億円、根室市は4億円、中標津町は2億円、それぞれ増加しています。できる限り筋肉質の経営体質を作りたいと思っているので、経費もコントロールして純資産をきちんと貯めておこうと。そのうえで将来の禍根となる評価損を圧縮する方向です。