Agri Report ──北の大地を拓く新・農業人【9】
土作りを重ね畑作と養鶏をリンク
四半世紀で見えてきた成果と課題

2026年02月号

本格的な降雪期を前に大型トラクターで緑肥作物を鋤き込む作業の手を休める「はるか農園」代表の三浦賢悟さん

循環型農業で有機農産物の普及を図る千歳の「はるか農園」


札幌から車で1時間ほど、都市近郊に位置しながら十勝地方に次ぐ大規模な畑作が営まれている千歳市。今から四半世紀前、その一角に30代の青年が新規就農した。当初からの営農スタイルは、有機栽培で野菜を育て、その一部を鶏の飼料にして畑作と養鶏をリンクさせ、昔ながらの「循環型農業」を実践すること。2ヘクタールの農地でスタートし、途中で規模拡大を図り、現在は17ヘクタールに玉ねぎやスイートコーン、ケール、カボチャ、大根などを栽培する。「はるか農園」を牽引してきた三浦賢悟さんを訪ね、これまでの歩みに学ぶとともに、慣行栽培の営農技術の進歩に追いつけず、課題が山積する有機農業の将来に対する思いを訊いた。

(ルポライター・滝川 康治)


土づくりに取り組み四半世紀
「養鶏+有機栽培」を実践して


 千歳市の東部に位置し、ゆるやかな丘陵地帯に畑や草地が広がる東丘地区にある「はるか農園」。取材に訪れた昨年11月下旬、降雪期を前にした緑肥の鋤込みや、鶏に食べさせるケール(アブラナ科の野菜)の収穫が行なわれていた。
 ここでは、有機農産物を育て、その残渣を鶏の飼料にする循環型の農業を実践しながら、四半世紀にわたり土を良くする技術を磨いてきた。現在は、17ヘクタールの農地に玉ねぎやジャガイモ、スイートコーン、レタス、ケール、ニンニク、大豆、カボチャ、米、緑肥用の燕えんばく麦などを作るかたわら、1300羽ほどの採卵鶏を飼育する。
 農場を切り盛りするのは、代表の三浦賢悟さん(1967年、帯広市出身)と妻の順子さん(72年、福岡県出身)、5人余りのスタッフだ。
 25年前に新規就農し、2ヘクタールの農地で「養鶏+露地野菜の栽培」からスタート。コープさっぽろが創設した農業賞で受賞したことをきっかけに引き合いが増え、規模拡大を進めてきた。慣行栽培を続けてきた土地だったこともあり、当初は土が固く、砕土作業にも苦労したが、鶏糞を活用するなど土づくりに励み、安定した生産ができるようになった。

牧場研修を経て新規就農を実現
岐阜の師匠も応援し基盤づくり


 代表の三浦さんの父親はホクレン職員として各地を転勤し、祖父も農業関係の仕事をしていた。そんな家庭で育ったが、自身は農業をしようとは思わず、親が敷いたレールに従って北大の法学部に進んだ。
 学生時代、家庭教師のアルバイトをするうちに、昔はほとんどいなかったアトピー性皮膚炎の子が増えていることを実感する。水や大気の汚染が落ち着いた時代なのに、どうしてか──「食べものに問題があるのでは…」と思った。

現在は1300羽ほどの採卵鶏を平飼いで育て、卵は直販する

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野菜として出荷後、アブラナ科植物のケールは鶏の飼料にもなる

有機農産物の柱のひとつ・ジャガイモの収穫作業(はるか農園提供)

設立の数年後から米づくりも手がける。最近は『大地の光』の自然栽培に手応え(同)

緑肥の燕麦を作り、圃場に鋤き込んで土づくりに励む

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