道警・問われる強制捜査の要件③
「突入後に考えようと…」

任意同行の呼びかけから強行突入まで 4時間ほどの猶予があったにもかかわらず、当時の捜査員らはその間に逮捕状を請求しようとしなかった
(2023年3月29日夜、札幌市中央区)=近隣住民撮影の動画から
不当逮捕被害・国賠訴訟が結審
「緊急逮捕」の実態、警官が証言
裁判所に違法と認められた不当捜査をめぐり、同捜査の被害者が起こした国家賠償請求裁判が審理を終えた。当時の捜査員らは被害が否定された傷害事件の捜査を強行、武装して被害者の自宅に踏み込み同居人を「緊急逮捕」していた。だが部屋の主は突入行為に同意しておらず、警察自身も強制捜査の令状を裁判所に請求していなかった。不本意かつ不条理な被害を蒙った当事者は、改めて訴える。「これを許すと、また同じ被害が再発してしまう」――。
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。57歳
令状なき突入・緊急逮捕

窓ガラスの修理代約16万円は民間の保険で賄われ、警察は未だに弁償していない=住人女性提供

国賠提訴時の記者会見で、代理人らは「今回の事案は『氷山の一角』では」と指摘していた(2023年6月15日午後、札幌市中央区)
窓ガラスの修理代約16万円は民間の保険で賄われ、警察は未だに弁償していない=住人女性提供
国賠提訴時の記者会見で、代理人らは「今回の事案は『氷山の一角』では」と指摘していた(2023年6月15日午後、札幌市中央区)
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