札幌の人気フットサルスタジアムで起きた異変【3】
「全部捨てましょう」

2026年01月号

かつては市内で屈指の人気を誇った「フットサルスタジアム蹴」(札幌市東区)

元取締役を実力排除した現場
監視カメラが捉えた一部始終


2025年4月号以降で報じた札幌市東区にある「フットサルスタジアム蹴(しゅう)」の乗っ取り騒動の続報だ。24年9月、ここを運営する株式会社セブンスギアの業務を取り仕切っていた常務取締役が突如解任され、代表取締役が交代。この元常務が刑事告訴をはじめ地位の回復を求めて民事提訴に踏み切った件や、蹴と関連施設で働いていた正社員やアルバイトの大半が説明がないまま出勤停止となったことなどを春から報じてきたが、このほど記者はこの乗っ取り騒動の真相に迫る、ある動画を入手した──。

(本誌編集長・工藤年泰)

排除された現場のトップ


 前文で書いた「ある動画」の内容に触れる前に、事件のあらましを振り返っておきたい。
 スポーツ関連イベントやトレーニングなどで市民に親しまれている多目的施設「つどーむ」(札幌市東区)。その脇を走る篠路通の向かい側にあるのが、「フットサルスタジアム蹴」だ。
 2007年8月にオープンしたこのフットサル場では、室内に備えたコート2面を練習用に一般に広く貸し出しているほか、初級から上級までさまざまな大会も開催。コロナ禍で利用が落ち込んだ年月もあったが、2023年以降は回復傾向となり、乗っ取り騒動前は年間約10万人が利用していたとされる。
 そんな施設の運営会社として2007年2月に設立されたのが「株式会社セブンスギア」だ。起業を模索していた本田一かずあき輝氏(45)が代表取締役となり、本田氏と同氏の父親、本田氏の幼馴染だった上松功拓氏(45)3人が出資してスタート。防護ネット事業などを手掛けていた本田氏の父親が金融機関から約6千万円を調達して東区にあった元印刷工場を借り上げ、約4千万円をかけて改修してのオープンだった。

引き出しごと持ち去られた上松元常務のデスク
(2024年10月)

フットサル場「蹴」が盗まれた現場

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警官が証言

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ボトムアップでつくる新体制と劇的変化の弁膜症治療

上松氏関係の物品をゴミ扱いする前川氏(右)
(24年10月24日夜、セブンギア事務所内)

産廃運搬車に積み込まれるフレコンバッグ
(同年12月5日午後、フットサル場の玄関付近)

抗議行動を行なうセブンスギア労組の関係者
(25年6月8日、フットサル場近く)

引き出しごと持ち去られた上松元常務のデスク
(2024年10月)

上松氏関係の物品をゴミ扱いする前川氏(右)
(24年10月24日夜、セブンギア事務所内)

産廃運搬車に積み込まれるフレコンバッグ
(同年12月5日午後、フットサル場の玄関付近)

抗議行動を行なうセブンスギア労組の関係者
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