“核のゴミ”レポートPART47 寿都町長選の結果と今後の「概要調査」の行方
持ち越された「課題」

2025年12月号

寿都町長選挙の開票風景(10月28日午後7時30分すぎ、寿都町総合体育館で)。参観人の定員は100人だったが、実際に参観したのは6人。静かな雰囲気の中で開票が進んだ

組織票手堅くまとめた片岡氏
運動の広がりを欠いた大串氏


“核のゴミ”最終処分地の選定に向けた「概要調査」への移行などを争点にした、後志管内の寿都町長選挙が10月28日に行なわれた。結果は、調査に賛成する現職の片岡春雄氏(76)が1087票を獲得して7選を果たし、調査に反対する新人で元町議の大串伸吾氏(42)は600票と健闘したが及ばなかった(投票総数1709票〔うち無効22票〕、投票率78.47%)。選挙戦は、これまでの実績を踏まえ岩盤支持層をまとめた片岡陣営と、正式出馬表明が投票日の1カ月半前と出遅れ盛り上がりを欠いた大串陣営──その力量には落差があった。今後の焦点は「住民投票条例」に基づく直接投票の行方や鈴木直道知事の判断などに移る。

(ルポライター・滝川 康治)

前回より6%弱下がった投票率
岩盤層をまとめた片岡氏が勝利


 寿都町長選の当日有権者数は、この4年間で過疎化が進んで2178人まで減り、投票率は前回を5.69%下回る78.47%にとどまった。女性の投票率は8割を超えたが、男性は75%台と前回を7ポイント余りも下回っている。
 4年前の本シリーズで筆者は、当時の選挙戦の構図を「組織選挙vs草の根運動」と捉え、こう書いている。「20年間の町政運営の実績を強調し、『核ゴミ問題は争点ではない』とする片岡陣営は、2年前の町議選(定数9)で5人の町議が獲得した1200票弱を念頭に選挙戦を展開。しかし、今秋以降は次第に追い上げられ、この得票数には及ばなかった。町職員同士の一騎討ちになった20年前の町長選では片岡氏が288票差で初当選を手にしたが、今回は215票差まで詰め寄られ、薄氷の勝利であった(略)。

前回の町長選で惜敗した町議の越前谷由樹氏

祝勝会の終了後、記者会見に臨む片岡町長

倶知安町違法開発騒動に火をつけた
参院選候補

パワハラ死追及に一区切り
看護師遺族和解へ

警察官の不同意わいせつ事件、未発表か

寿都町長選の結果と今後の概要調査の行方

NUMOの施設の隣に設けた選対事務所で支援者と握手する片岡春雄氏

選挙戦最終日、後援会の事務所前で謝辞を述べる大串伸吾氏

NUMOの施設の隣に設けた選対事務所で支援者と握手する片岡春雄氏

選挙戦最終日、後援会の事務所前で謝辞を述べる大串伸吾氏

前回の町長選で惜敗した町議の越前谷由樹氏

祝勝会の終了後、記者会見に臨む片岡町長

倶知安町違法開発騒動に火をつけた
参院選候補

パワハラ死追及に一区切り
看護師遺族和解へ

警察官の不同意わいせつ事件、未発表か

寿都町長選の結果と今後の概要調査の行方

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