自衛隊vs自衛官
組織は変われるか
陸上自衛隊内部のハラスメントなどで長男を喪った川島五月さん(中央)は「うちの事件は氷山の一角」と証言する
(9月26日午前、札幌地方裁判所前)
自殺、パワハラ、健康被害
現職自衛官らの裁判が佳境
北海道内の自衛官やその親族らが職場を訴えた複数の裁判が札幌の法廷で続いている。9月下旬には退職を阻止されて自ら命を絶った若手職員の遺族の訴訟が結審、前後してハラスメント告発で不利益を蒙った現職自衛官の事件の審理があり、10月初旬には騒音業務で難聴を発症した隊員が直近の弁論に臨んだ。問われているのは、国を守る職場の安全・安心。声を上げ続ける当事者たちの闘いは、組織の体質を変えることができるのか――。
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。56歳
安全配慮義務違反「明白」
「幹部自衛官が女性隊員に対し、犬に使う言葉で『ハウス』などと言って人格を否定していた」とパワハラ訴訟原告の男性自衛官
(9月10日午後、札幌市内)
「幹部自衛官が女性隊員に対し、犬に使う言葉で『ハウス』などと言って人格を否定していた」とパワハラ訴訟原告の男性自衛官
(9月10日午後、札幌市内)
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