北海道パレスチナ医療奉仕団の猫塚義夫団長がガザ地区の現状を報告
殺戮と飢餓の舞台になったガザ
いま、パレスチナに救いの手を

2025年11月号

ガザとパレスチナの現状を報告する猫塚団長
(9月27日、札幌市中央区の札幌北光教会)

パレスチナ自治区で医療支援を続ける「北海道パレスチナ医療奉仕団」の団長で医師の猫塚義夫さん(77)が9月27日、「ガザ・パレスチナ医療支援の現場から」と題する講演を札幌市内で行なった。パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスとイスラエルによる戦争が始まって間もなく2年。猫塚団長はパレスチナの医療関係者が拘束され拷問死するなど悲惨な状況を報告し、「戦闘の前からガザ地区は16年間も封鎖されてきた。医師免許があっても雇ってくれる病院がないなどガザでの暮らしは以前から深刻だ。2年前のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃は、そのような状況下で起きたことを理解してほしい」と呼びかけた。

(武智敦子)

14年に及ぶ医療支援活動


 猫塚義夫さんは勤医協札幌病院の整形外科医。2009年2月に札幌市内で行なわれたイスラエルのガザ侵攻に反対するスタンディングデモへの参加をきっかけに、「北海道パレスチナ医療奉仕団」を立ち上げ、2011年11月から奉仕団のメンバーと現地に赴き医療支援活動を続けている。昨年12月に16回目、今年は11月22日から17回目の医療支援を予定している。
 イスラエルとパレスチナはこれまでも争いを続けてきたが、2023年10月7日のハマスの奇襲攻撃から始まったパレスチナ・イスラエル戦争は長期化し、今なお犠牲者が増えている。猫塚さんは「ガザの保健当局が発表した死者は6万5千人だが、人権の保護を目的とした『欧州地中海人権モニター』の調べでは7万人を優に超えている」としたうえで、
「イスラエル軍は病院を破壊しても『間違ってやった』と言い逃れをする。イスラエルの選挙は比例代表制で、ネタニヤフ首相は議席を確保するため極右勢力を仲間に入れて政権を保持しようとしている。これまでも停戦合意については不透明だったし、核保有も正式に認めていない」とネタニヤフ政権の政治姿勢に疑問を投げかける。
 ヨルダン川西岸や東エルサレムでは、狂暴化する入植者とイスラエル軍により千人を超すパレスチナ人が殺戮や飢餓で命を落としていると言われ、医療支援を通してヨルダン川西岸の惨状を見てきた猫塚さんは、これらが「第2のガザ」になることを危惧している。

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