ラピダスが2ナノ半導体試作品でトランジスタ動作を確認
世界にないイノベーションに向け会社一丸で超えた大きな中間目標

2025年09月号

報道関係者に公開されたラピダスの新工場「IIM-1」(イーム・ワン)。札幌ドームとほぼ同じという大きさに圧倒される(7月18日午後)

次世代半導体の量産を目指しているラピダス(本社東京)は7月18日に開いた記者会見で、千歳市美々の新工場「IIM-1」(イーム・ワン)で試作した回路線幅2nm(2ナノメートル※1ナノは10億分の1単位)の半導体で、トランジスタ動作を確認したことを明らかにした。同社は昨年12月25日に2nmの回路を形成できるASML社(オランダ)のEUV(極端紫外線)露光装置をイーム・ワンに搬入。本年4月1日にはパターンの露光・現像に成功し、その3カ月後の7月10日、試作ウエハーにおいて2nmのGAA(ゲートオールアラウンド)トランジスタの動作を日本で初めて確認したという。

(佐久間康介)

2年後に果たした約束


 7月18日、千歳市のANAクラウンプラザホテル千歳で開催された「カスタマーイベント」に合わせて行なわれた記者会見で、ラピダスの小池淳義社長兼CEOは、「2027年の量産化に向けて大きなマイルストーン(中間目標)を超えた」と自信を見せた。
 記者会見にはラピダスの東哲郎会長、小池社長、鈴木直道知事、横田隆一千歳市長が出席。
 2nmのGAAトランジスタの動作確認をしたことに、東会長は「10数年出遅れた日本が最先端の技術に挑戦していることだけでなく、稀にみる異例のスピードでここまで来ていることに世界が非常に驚いている」と強調。また小池社長は、「2023年に同じこの会場、同じメンバーで記者会見をしたが、あれから2年経って皆さまが驚くような成果を発表できることを大変嬉しく思う」と誇らしげに述べた。
 鈴木知事は「北海道の半導体産業にとって、本日が大きな歴史の1ページだと確信している。道は全力で支え、さらなる産業振興に繋げたい」と語った。地元首長である横田市長は「市は、産業集積をさらに進めるため2年後の2027年に新しい工業団地を造成する。今後も地元自治体として、道とも連携を密にして受け入れ環境の整備をしっかり進め、ラピダスと一緒になってプロジェクトの成功に向けて全力で取り組む。日の丸半導体が、世界をリードする第一歩となることを期待したい」と話した。
 その後、4人は2nmのGAAトランジスタが形成されたウエハーの除幕式を行ない報道陣に披露した。

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2ナノGAA トランジスタ試作ウエハーを披露する関係者。左からラピダス・東哲郎会長、小池淳義社長、北海道・鈴木直道知事、千歳市・横田隆一市長(7月18日午前、千歳市内)

プレゼンテーションするラピダスの小池社長

ラピダスが完成させた試作ウエハー

2ナノGAA トランジスタ試作ウエハーを披露する関係者。左からラピダス・東哲郎会長、小池淳義社長、北海道・鈴木直道知事、千歳市・横田隆一市長(7月18日午前、千歳市内)

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