北海道観光機構・唐神昌子氏が新会長デビュー
強固で夢をもてる業界目指す
誘客分散で経済効果を全道へ
小金澤氏の後を受け、今後の手腕に期待がかかる唐神新会長(6月23日、札幌市中央区の札幌グランドホテル)
(からかみ・しょうこ)1969年胆振管内虻田町(現洞爺湖町)生まれ、2008年トーホウリゾート創業者である父の唐神邦夫氏の逝去に伴い専業主婦から専務取締役に就任し、09年代表取締役。12年登別観光協会(現登別国際観光コンベンション協会)会長、22年日本旅館協会北海道支部連合会会長(現在副会長)、23年北海道観光振興機構副会長を経て25年同機構会長に就任。56歳
公益社団法人北海道観光機構の新会長に就任した唐神昌子氏(トーホウリゾート代表取締役)が、6月23日の通常総会後に記者会見を行なった。唐神氏は小金澤健司会長(当時)の下で副会長を務めていたが、本年1月に小金澤氏が急逝したことを受け5月23日の理事会で会長就任が了承されていた。その約1カ月後に開催された通常総会は、新会長としての本格デビューの場となった。総会後、副会長4人とともに記者会見に臨んだ唐神新会長の第一声をお届けしたい。
(佐久間康介)
宿泊税をリスク対応基金に
──観光機構をどういう組織にしていきたいか。
唐神 副会長を3人から4人にしましたが、その理由はこれから力を入れようと思っている観光におけるデータ分析と二次交通、人材不足対策など、北海道観光の未来を考えた組織改革を進めたいと考えているからです。地方に住んでいる皆さんや地元企業との連携を強化して地方の観光密度を上げ、観光の広域分散を進めたい。
また若者を中心に観光業界を夢のある業界として認識してもらい、多くの優秀な人材がこの業界に集まるようにしたい。こうした目的のために「観光インフラ部会」を立ち上げる予定です。多少のアクシデントを跳ねのける、密度の濃い強固なシステムを構築していくことが、北海道経済の一翼を担う私たち観光業界の使命だと思っています。
──観光の誘客分散について。
唐神 現状は、札幌など都市部に観光客が集中しています。都市観光も大歓迎ですが、道内のいろいろな地域を訪れていただき、北海道を満喫してもらうことも大事です。道内の海外航空路線は8割が新千歳空港に集中しています。もっともっと地方空港に海外路線を誘致して地方イン、新千歳アウトで周遊してもらえるようにしたい。インバウンドや国内の方々が今まで見たことがない景色を堪能してもらうためにも地方分散を図りたい。
──道が2026年度から予定している宿泊税については。
唐神 観光インフラ整備や環境保全、プロモーション、地方自治体の地域振興のためには財源確保が必須。その財源が宿泊税で対応できれば嬉しい。中でも一番大事なのは、災害が起きた時の備え。風評被害を含めて最初に落ち込むのは観光業。それをいち早くリカバリーするためにも観光誘客に使える基金を積み上げておくことが何より必要です。このことは機構の会長職を受ける前から道庁にお願いしています。
左から猪又將吾副会長、平島誉久代表理事副会長、唐神昌子代表理事会長、清水伸一副会長、林雅子副会長(6月23日、通常総会後のフォトセッション)
左から猪又將吾副会長、平島誉久代表理事副会長、唐神昌子代表理事会長、清水伸一副会長、林雅子副会長(6月23日、通常総会後のフォトセッション)
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