【シリーズ・住宅不動産情報】㉚──不足する札幌市内の戸建て分譲用地
大規模な宅地分譲は「今や昔」か
記者が歩いて見つけた適地とは

2025年06月号

札幌市東区北7条東18丁目の更地(約2413坪)

「市内の市街化区域には宅地に適したまとまった広い土地がない」とは、札幌の住宅不動産業界でよく聞く言葉だ。業界では毎年、翌年や翌々年の戸建て住宅用地として広い土地を仕入れるが、最近はなかなか仕込む用地がないという。札幌市内の土地価格は高止まりしており、個人や企業などの大地主も急いで売る状況にはないからだ。そこで、本シリーズ担当記者が市内でまとまった土地を探してみた。宅地になるかどうかはともかく、目立つ広い土地が数カ所見つかった。

(佐久間康介)

「来年の仕込みができない」


 まずは戸建て住宅用地の販売状況を整理しておこう。札幌市内でまとまった区画の分譲が行なわれているのは、「スマートハイムシテイ西茨戸」(北区・90区画)や「グリーンタウン芸術の森」(南区・80区画)、「ルシアーデン平岡」(清田区・68区画)、「グリーンタウン上篠路」(北区・51区画)などだ。売れる宅地の条件は坪単価が安いことは必須だが、それ以外にも小中学校が近くて、買い物環境も良く、駅から近いなどの条件が揃わなければならない。
「グリーンタウン」をみると、「芸術の森」は小学校が隣接しているが、利便性に難があるため売れ行きは鈍い。一方で「上篠路」は学校、スーパー、最寄駅の条件が比較的揃っているため好調だという。業界関係者は、「土地と建物で3500万円というのが札幌市内の戸建て住宅の売れ筋。その価格帯に先の3要素が揃わなければ販売に時間がかかる」と話す。
 業界の土地仕入れ担当者が想定するのは、広さが約3千坪以上のまとまった土地。取付道路などの用地を約3割とすれば、残り約2100坪で30~40戸分の区画が可能になる計算。そんな条件を頭に入れながら市内のまとまった土地を探してみた。
 最初は、東区北7条東18丁目にある約2413坪の更地。「スーパーアークス苗穂」に近いこの場所には、JR苗穂アパート3棟が建っていたが、2019年頃から更地になっている。土地所有者はJR北海道(札幌市中央区)だったが、24年3月に医療法人社団札幌道都病院が取得した。1987年11月に開院した同病院は現在、札幌市東区北17条東14丁目にあり、今年で築38年目となる。移転の可能性があるが、現地には信陽商事(同白石区)が管理していることを示す看板が掲げられているだけで病院建設に関する告知はない。信陽商事に土地利用を聞いてみると、「答えられない」ということだった。

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