告発・陸の蟹工船〈9〉
年金詐取で車購入か

2025年04月号

訴えを起こした虐待被害者の1人=左奥から4人め=は〝奴隷労働〟の実態を広く知らしめたい一心で顔を隠さずに証言を続けている(2月21日夕、札幌市内)

恵庭牧場・障碍者虐待裁判
被告の市は牧場主ら聴取へ


早くも3年越しの報告となる、恵庭市の牧場での障碍者虐待疑惑。長期間にわたる“奴隷労働”の被害者たちが牧場関係者と地元自治体とを訴えた裁判で新たに、短期間に百万円単位の年金詐取があった疑いなどが浮上した。物理的な虐待の詳細も次第にあきらかとなり、歯科疾患や靭帯断裂などの深刻な被害が長く放置されていた実態が発覚。元市議会議長への忖度が疑われる自治体の対応も含め、直近の弁論で指摘された事実を急ぎ報告したい。

取材・文=小笠原 淳

出金1千万超、使途不明


 自身の年金詐取被害について問われた当事者は、強い口調で訴えた。
「それは腹が立つ。銀行に戻して欲しい」
 声の主は、石狩管内の60歳代男性。仲間たちとともに起こした裁判の報告会で顔を晒して証言するのは、その日が2度めとなる。加害者への思いを問われては、改めて再発防止を願う一言を口にした。
「もう、そういう悪いことして欲しくない」
 2月21日午後。裁判は7回めの口頭弁論を終えたところだった。
 

 その日、札幌地方裁判所(布施雄士裁判長)で意見陳述に立った原告代理人の中島哲弁護士(札幌弁護士会)は、これまでの調査で新たにわかった事実を次々に明かした。
「ある原告は、2001年の年末に牧場で住み込みを始めた段階では1300万円の定期預金があったのが、1年以内に全額引き出されています。」

原告男性2人の口座残高表――ともに2009年11月12日付で50万円ずつ引き出されていた

原告男性2人の口座残高表――ともに2009年11月12日付で50万円ずつ引き出されていた

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