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旭川少女いじめ凍死事件を検証する「公開シンポジウム」を札幌で開催へ

2025年04月号

公開シンポジウムの告知チラシ

■本誌で当時を証言した金子元校長などが講演予定


「これからのいじめ対応と週刊文春が作り上げた『旭川14歳少女いじめ凍死事件』」と題した公開シンポジウムが3月23日(日)、JR札幌駅北口の札幌エルプラザ3階ホールで午後6時から開催される。「札幌・旭川市民の会」の主催。
 表題の事件は、今から4年前の2021年3月下旬、旭川市内の公園で凍死した状態で発見された中学2年の廣瀬爽彩(さあや)さん(当時14歳)が凄惨ないじめを受け自殺したとされるもの。これに対し本誌が昨年11月号から本年3月号にかけて、事件に関するメディアの間違った報道と調査を担った行政が関係者に深刻な人権侵害、二次被害をもたらしているのではないかと問題提起を続けているのは周知の通りだ。
 そんな中で開かれるシンポジウムの大きな話題は、廣瀬さんが入学した旭川市立北星中学校で当時校長を務めていた金子圭一さん(65)が初めて公の席で当時を語ること。
 おりしも本誌は2月号と3月号でこの金子さんのインタビューを掲載。廣瀬さんと共に過ごした数カ月に起きた出来事や当時の学校の対応、そして自身や関係者が受けた報道被害の実態を生々しく証言してもらったばかりだ。
 今回の本人の演題は「隠ぺい校長に仕立て上げられるまでの経緯について」。当時の事件関係者のひとりで、生前の廣瀬さんを実際に知る金子さんが講演でどのようなことを語るのか注目される。
 このほか、「モンスターマザー」「でっちあげ」などの著作で知られるジャーナリストの福田ますみさんが「過去の事例との共通点から見る旭川事案(仮)」と題して講演するほか、「いじめ撲滅・COM」というサイトを運営し、早くからこの事件の問題点を発信し続けてきた普津澤 峻さんが「事案当事者と支援者達の実像について」、市側の対応を問題視してきた旭川市議会議員の上野和幸さんが「亡くなった生徒が抱えていた悲しみについて」という演題でそれぞれ講演。本稿記者も「取材から見えてきた問題点と報道の在り方」をテーマにマイクを握る予定。
 この事件をめぐっては既報のように旭川市が2度にわたる調査を行ない、再調査委員会が2024年6月、「廣瀬さんの自殺はいじめが原因だった可能性が高い」と市に報告。この結論を盛り込んだ報告書が同年9月半ばに公表されるに至った。さる2月中旬には、廣瀬さんの母親が市を相手取り「適切な対応を怠った」として1億円を超える損害賠償を求めて旭川地裁へ提訴したとの報道もあったところだ。
 シンポジウム開催日の3月23日は、廣瀬さんが公園で見つかった日でもある。当日は午後9時頃に終了予定。入場料は1000円で定員は先着200人。問い合わせは事務局(☎090・2339・0893)まで。

(工藤年泰)

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