隠蔽される公務災害
「真実 知らせたい」
難聴の被害は表面化しにくく、多くの隊員が泣き寝入りせざるを得ない状況が疑われている
(札幌中央区の陸上自衛隊札幌駐屯地)
現職自衛官が実名・顔出し提訴
射撃などで難聴、国に賠償請求
1月下旬、現職自衛官が名前と顔を隠さずに国を訴えた裁判の口頭弁論が札幌で始まった。長年にわたる射撃訓練などで難聴を発症した原告の男性は、同じような被害が表面化せず多くの同僚たちが今なお苦しんでいる実情を訴える。声なき声を代弁する目的は、到って明快。国民に真実を知らせたい――。「何もしないのは責任の不履行」との信念の下、組織の安全配慮義務違反を問う闘いが幕を開けた。
取材・文=小笠原 淳
補聴器53万円、当初は自腹
「組織が正しく機能していない中、それを知りながら沈黙を続けるのは『責任の不履行』と考えた」と、原告の中村俊太郎1尉(1月14日午前、札幌市中央区の札幌地方裁判所前)
「組織が正しく機能していない中、それを知りながら沈黙を続けるのは『責任の不履行』と考えた」と、原告の中村俊太郎1尉(1月14日午前、札幌市中央区の札幌地方裁判所前)
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