“核のゴミ”レポートPART41「文献調査報告書」の説明会と地層処分政策への疑問
綻び始めた壮大な虚構
公表された「文献調査報告書」について、NUMOが札幌市内で開催した説明会(夜の部・昨年 12月13日)。300件ほどの質問が寄せられたが、直接的な質疑は認めず、参加者から疑問の声が…。経済産業省の担当課長による強気の発言もあった
概要調査に向けNUMOが道内各地で続ける不毛なセレモニー
後志管内の寿都町と神恵内村で2020年から行なわれてきた“核のゴミ”最終処分地選定に向けた「文献調査」の報告書について、NUMO(原子力発電環境整備機構)による説明会が各振興局の所在地を中心に開かれている。道民の疑問に対し、文書の質問は受け付けるが口頭でのやり取りはせず、「詳細は概要調査でチェックする」と繰り返す。経済産業省の担当課長は法律を盾に「地層処分が唯一の方法」と豪語する……。そこには道民の懸念について丁寧に対応する姿勢は窺えなかった。「概要調査」に向けたセレモニーの色彩が濃い説明会の実態や破綻した核燃料サイクル政策の現状、立地調査の手法を疑問視する地質研究者の声、住民投票の行方などを探った。
(ルポライター・滝川 康治)
参加者との個別の質疑は認めず
説明会はアリバイづくりに終始
概要調査に反対する意向を示している鈴木直道知事
NUMOの報告書に異議を唱える北海道教育大名誉教授の岡村聡さん
説明会の終了後、ぶら下がり会見に臨むNUMOの苗村公嗣専務理事(左端)
岡村聡さんを講師に寿都町の住民グループが開いた地質見学会(22年6月)
説明会の終了後、ぶら下がり会見に臨むNUMOの苗村公嗣専務理事(左端)
岡村聡さんを講師に寿都町の住民グループが開いた地質見学会(22年6月)
概要調査に反対する意向を示している鈴木直道知事
NUMOの報告書に異議を唱える北海道教育大名誉教授の岡村聡さん
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