狩人、銃を奪われる⑪
「高裁判決は違憲」

2025年02月号

関係機関と猟友会との意見交換は冒頭部分を除いて非公開で進められ、報道陣の立ち会いは認められなかった(12月24日午後、岩見沢市の空知総合振興局)

ヒグマ駆除めぐる裁判、最高裁へ
地元ではハンターらが意見交換会


2018年の夏に起きた出来事が、ついに8年越しの問題となった。自治体の要請でヒグマを駆除して罪に問われたハンターは、今も銃を差し押さえられたまま。地元公安委を相手どった訴えで、昨年の逆転敗訴判決を不服として最高裁に同判決の破棄を求めたところだ。駆除の現場への波紋は大きく、北海道が音頭を取った意見交換会では「ハンターだけの問題ではない」と訴える声が。問題解決までに今後どのぐらいの時間が費やされることになるのか、関係者たちには知る由もない。

「関係者間で知識共有を」


「ハンターなら誰でもクマを撃てると思ったら大間違いで、そういうことを認識して欲しいと話しました。警察にはやっぱり、ヒグマについての正しい知識を持って貰いたい。そうでないと現場で判断できないでしょうから」
 12月24日午後、岩見沢市。北海道空知振興局が開いた「意見交換会」に参加した道猟友会砂川支部長の池上治男さん(75)は、同日の議論を振り返ってそう語る。2020年に訴えを起こした自身の裁判については、昨年10月に言い渡された二審判決のヒグマ駆除現場への影響を懸念する声を漏らした。
「高裁判決についても話しました。クマに当たった弾があっちこっち跳弾したとか、物理や数学に反する憲法違反のような判決はよくないと。これでは猟ができなくなる、警察も困ることになりますよと。ハンターだけの問題ではないと」
 意見交換会は、道が企画して各振興局で順次開催。自治体や警察と各地の猟友会とがヒグマ駆除をめぐる問題を忌憚なく話し合う目的で設けられ、空知では砂川を含む猟友会6支部が道と管内14市町、道警察本部、及び5警察署の担当者らと意見を交わした。交談の場は報道公開されず、密室での話し合いとなったが、参加した池上さんらによれば先述の裁判の話題が多くを占めることになったという。

「何年も前から必要性を訴えてきた4者(ハンター、北海道、市町村、及び警察)の協議がようやく実現した」と池上治男さん

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(12月11日午後、砂川市宮城の沢)

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