告発・絶望の学府㉟
道「パワハラなかった」

2025年02月号

自殺問題の質疑応答後、鈴木直道知事は「今年の漢字」を問われて『生』の一字を掲げた――若くして「生」を奪われた看護学生の遺族への配慮のほどは定かでない
(12月26日午後、北海道本庁舎・記者会見室)

江差・自殺訴訟で仰天主張
第三者調査報告を全面否定


事態の表面化からまもなく丸4年が過ぎる、公立看護学院のパワーハラスメント問題。第三者調査の対象となった事案の多くでハラスメント被害が認められた中、最悪の被害といえる在学生の自殺事案が驚きの展開を迎えた。自殺とパワハラとの因果関係を認めようとしない北海道が、この期に及びパワハラの事実そのものを否定し始めたのだ。一昨年春に公表された調査報告や担当課・知事の謝罪は、いったい何だったのか――。

取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。56歳

「謝罪、何だったのか」


 その議論があっさり白紙に帰したのは、官庁御用納めを目前に控えた12月下旬のこと。
《本件調査書がパワハラに当たると認定した本件事例1ないし4は、事実として認定することができないものであるか、事実と認定することができたとしても、パワハラに該当するものではなく、本件学生の人格的利益を侵害し精神的苦痛を与える違法なものとはいえない》
 本誌などが2021年春から伝え続けている北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題が、ここに来て当事者を大きく驚かせる想定外の事態を迎えた。最悪の被害といえる在学生の自殺事案をめぐり、北海道が設置した第三者調査委員会の調査報告を当の北海道が全否定し始めたのだ。

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