告発・絶望の学府㉞
「息子の無念晴らして」

2024年12月号

北海道を訴えた女性は「本当なら裁判などしたくなかった」という
(10月29日午後、函館地方裁判所前)

自殺学生遺族が慟哭の陳述
江差パワハラ裁判で初弁論


「道の対応に誠意を感じることはできません」――。本誌前号で伝えた損害賠償請求裁判が10月下旬、函館の裁判所で最初の口頭弁論を迎えた。法廷で意見陳述に立った原告女性は改めて訴訟に込めた思いを語り、裁判所に「適切な判断」を求めた。公立の看護学校で在学生が自ら命を絶つ事件が起きてから、5年あまり。その死と教員のハラスメントとの因果関係をめぐる争いを法廷に持ち込むことは、遺族にとっては決して本意ではなかったという。

取材・文=小笠原 淳

裁判余儀なくされた遺族


 10月28日午後、函館地方裁判所。黒の上下に身を包んだ女性(48)が俯きがちに証言台に立ち、五十嵐浩介裁判長らに一礼して口を開いた。
「どうしても言っておきたいことは、私は裁判を行ないたいとは一切思っていなかったということです」
 声の主が看護学生だった長男(当時22)を喪ってから、5年あまりが過ぎる。その訴えを起こしたのは、愛息の命日にあたる本年9月18日。看護師を目指していた筈の長男は2019年のその日、檜山管内江差町のアパートの一室で自ら命を絶った。そこから歩いて15分ほどの距離にある北海道立江差高等看護学院の学生として実習に励んでいたさなかのことで、あくる年の春には卒業・国家試験を控えていた筈だった。
 息子は、学校に殺された――。

道の第三者調査では、自殺が当時の学習環境に起因し、ハラスメントとの相当因果関係が認められると結論づけられていた(昨年3月31日付『調査書』)=一部墨塗り処理は道

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「道からは誠意をまったく感じない」と、原告女性(10月29日午後、函館市内)

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