狩人、銃を奪われる⑨
そして誰も撃てなくなった
池上治男さん(中央)は狩猟歴 30年超、猟銃は取り上げられたままだが狩猟免許は維持しており、地元の有害鳥獣対策実施隊員の活動も継続している(10月18日午後、札幌高等裁判所前)
ヒグマ駆除裁判で逆転判決
全面敗訴にハンターら動揺
言い渡しの瞬間、傍聴席を重苦しい空気が覆った。「被控訴人の請求を棄却する」。自治体の要請でヒグマを駆除して銃を取り上げられたハンターが処分の撤回を求めて起こした裁判は、原告側が全面勝訴判決を得た筈だった。地元公安委員会の控訴で争いが上級審に持ち込まれた結果、改めて示された結論はハンター全面敗訴の逆転判決。駆除の現場に走った動揺は小さからず。即ち「誰も撃てなくなった」――。
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。55歳
判決理由にハンター絶句
池上さんと代理人・中村憲昭弁護士は、高裁判決直後から上告の意志をあきらかにしていた(10月18日午後、札幌市内)
北海道猟友会の堀江篤会長は高裁判決後に初めて駆除現場へ足を運び、地形などを確認した――猟友会では同月内にも三役会を招集して今後の対応を協議する考え
(11月6日午後、砂川市宮城の沢)=道猟友会砂川支部提供
池上さんと代理人・中村憲昭弁護士は、高裁判決直後から上告の意志をあきらかにしていた(10月18日午後、札幌市内)
北海道猟友会の堀江篤会長は高裁判決後に初めて駆除現場へ足を運び、地形などを確認した――猟友会では同月内にも三役会を招集して今後の対応を協議する考え
(11月6日午後、砂川市宮城の沢)=道猟友会砂川支部提供
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