Interview
北海道ハイヤー協会の新会長・平島誉久氏に訊く
ライドシェアは地域の違いを考慮し乗務員を守る在り方で

2024年09月号

(ひらじま・たかひさ)1980年札幌市生まれ。神奈川大学卒。営業職を経て、2005年に帰札し互信交運事業協同組合に勤務。12年に同組合理事長に就任。17年に同組合を持株会社の互信ホールディングスに転換し同社社長就任。北海道ハイヤー協会で5期10年副会長を務め、24年5月に会長就任。44歳

タクシーの新しい価値と未来を創る

現在44歳の平島誉久会長の就任で一気に若返りを果たした一般社団法人 北海道ハイヤー協会(本部札幌)。その行く手にはハイタクユーザーの右肩減やライドシェアという新たな規制緩和の圧力など険しい道が待ち構えているようだ。だが社業において〝次の世代のタクシー〟を標榜し、大きな注目を集めるTAXI NEXTや、コロナ禍中には罹患者の搬送チームを結成するなど、画期的かつ求められる新サービスを実践してきたのが平島氏。変革期にあるハイタク業界で、協会運営にも手腕に期待が集まるところだ。そんな平島氏の最大の関心事は世界で広がりつつある自動運転。そう遠くない自動運転の時代を前にハイタク業界がいま、なすべきこととは──。

(7月22日取材 工藤年泰・髙橋貴充)

|若い世代の呼び水を目指す会社「TAXI NEXT」|


 ──5月24日の通常総会で、会長に選任されました。
 平島
 私は加藤欽也前々会長の時代から協会の役員を務め、今井一彦前会長の5期10年間は同じ期間、副会長を務めてきました。
 その任期中、コロナ禍が起こり生活様式が劇的に変化していった。我々の業界では乗務員が減少し、それによるタクシー不足を理由に再燃したライドシェアの火種が生まれました。正に時代の変革期であるということから、若い力と発想が求められると。今井会長をはじめ諸先輩方などとも話し合いを重ね、世代交代の流れとなっていきました。
 ──今井前会長が現在72歳、次のバトンを受け取った平島会長が44歳と組織の若返りが一気に進んだ印象です。就任からほぼ2カ月が経ちましたが、思うところは。
 平島
 元々私は、物事を迅速に進めていきたいタイプなのですが、当協会は全道のハイタク(ハイヤー・タクシー)事業者のための組織で、抱えている問題も地域によってさまざま。何でも迅速にとはいきません。まずは全道の事業者の方々との関係性の構築から始めています。
 ──平島会長の社業について。現在社長を務める互信ホールディングスに勤める前は、別の仕事をされていたと聞いています。
 平島
 営業マンをやりたくて当時あった日立製作所の関連会社に採用され、モーターにエレベーター、電気製品、電化製品など何でも売っていました。2005年に札幌(※互信ホールディングスの前身、互信交運事業協同組合)に戻ることになったのは、当社が事業承継した札幌日交タクシーの民事再生が契機でした。その後、2012年に父である先代の逝去後に理事長を引き継いだという形です(※2017年に組合を持株会社の互信ホールディングスに転換し同社社長に就任)。

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(JR札幌駅南口のタクシー乗り場)

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(7月22日、北海道ハイヤー会館)

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