Interview
就任2年目の函館・大泉潤市長に訊く
新幹線乗り入れを目指し挑む「新たなまちづくり」

2024年09月号

現在も市民人気が高い大泉市長

(おおいずみ・じゅん)1966年江別市出身。札幌北高を経て早稲田大学法学部卒業。95年函館市役所に奉職。総務部秘書課長、保健福祉部次長、観光部長、北海道観光振興機構理事、保健福祉部長を歴任。2022年7月末に退職し、23年4月23日投開票の函館市長選で初当選。58歳

市民に寄り添い人口減少を止める覚悟

人口減少に立ち向かう覚悟やひきこもり問題などの社会的包摂で支持を受け、昨年4月の函館市長選で圧倒的な民意を受けてスタートした大泉潤市政。「急激な人口減少による弊害を食い止める起爆剤」として打ち上げ、選挙の公約で注目された北海道新幹線のJR函館駅乗り入れは、調査会社による議論の叩き台が出来たが、実現までのハードルはまだ高い。保健福祉部長時代に培った「市民に寄り添う」姿勢を堅持しながら一見、困難とも思える大きな目標を掲げる大泉市長は、函館再生をどのように進め、課題が山積する市政の舵をどう取っていくのか──。その胸の内を聞いた。

(7月26日取材 工藤年泰・武智敦子)

|「新幹線の函館駅乗り入れ」は大きな変革をもたらす太い幹|


 ──昨年4月の初当選から1年以上が経ちました。
 大泉
 この間、新たに着手したことや取り組んできたことはいろいろありますが、まだまだ課題は山積しています。ただ議会や予算査定のスケジュール感やルーティンについては、部長時代からある程度肌で感じ取っていたので、想定とさほど違いはありません。
 ──庁内に設置した「人口減少対策本部」の取り組みはいかがですか。
 大泉
 人口減少対策本部は、若い世代をはじめ多くの人に選ばれる都市を目指して昨年6月に設置しました。重点方針として「移住・定住の促進」「子ども・教育への支援」「仕事の創出」の3つを重点方針として定め、取り組んできました。
 今年度の施策としては、4月から「移住・人口減担当課」を設置し、「お試し移住事業」を始めました。2つ目は第二子以降の保育料の無償化です。そして3つ目が地元の学生限定ですが、公立はこだて未来大学の授業料などを無償化しました。4つ目が奨学金返済支援事業や企業誘致のさらなる強化のための会議の設置などです。
 ──今年度には移住サポーター制度も創設された。
 大泉
 今回、函館に移り住んだ男女2人ずつ4人を移住サポーターとして委嘱(無報酬)しました。
 どなたも函館に思い入れを持って移り住んできた方たちなので、ご自身の体験や函館の魅力を具体的に伝えてもらいたい。これから移住を希望する人と函館の橋渡しとして期待しています。具体的には移住希望者への相談対応や情報発信、移住者セミナーなどを行なってもらい、26年3月末までの任期中、活動していただく予定です。
 ──5月に取材した「釧路市ビジネスサポートセンター」(K-Biz)の責任者は、「人口減少は消滅自治体になることとイコールではない」として、人口減少の中でも活力あるまち、経済をどうつくっていくかが大事だと話されていた。
 大泉
 その通りだと思います。ただ函館のように急激に人口減少が進むまちは、経済の縮小を食い止めることが難しくなっています。

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