【シリーズ・住宅不動産情報】㉑──底堅い札幌中心部の中型・小型不動産開発
アパが札幌駅北口で土地確保
創成イースト彩り添える開発

2024年08月号

アパグループが取得した土地(札幌市北区北8 条西 4 丁目付近)

札幌市の中心部では再開発事業や大型ビルの建て替えが進み、街並みが大きく変わろうとしている。街の顔とも呼べるこうした大規模な不動産開発は人目を引く派手さがあるが、あまり目立たない中型・小型の不動産開発も底堅く進んでいる。大型物件ばかりに焦点が当たりがちだが、実はこうした中小物件の動きこそ本当の意味で街の活力を示すバロメーターと言える。足で稼いで見つけた中小の不動産開発をレポートする。

(佐久間康介)

売買されたジャスマック3番館


「ラフィラ」の建て替えで昨年末に誕生した複合商業施設「ココノススキノ」。夜だけでなく、昼も楽しめるススキノというふれこみでオープンした新施設は、北の歓楽街のイメージを塗り替えようとしている。そんなススキノにある飲食店ビル「ジャスマック札幌3番館」(中央区南5条西5丁目)の土地建物を今年5月末に取得したのが、不動産業のサラサ(本社札幌)だ。
 サラサは道内の飲食店や商業店舗、コンビニ、オフィスビルなど多くの不動産を保有しており、札幌市内の特徴的な不動産物件が動く時には、名前がよく登場する。同社はススキノで「メイプル通りビル」(同区南5条西5丁目)などを保有しているが、今回は同エリアで所有する物件のポートフォリオの厚みを増すために新たな飲食ビルを加えたようだ。
「ジャスマック札幌3番館」は、1983年11月に竣工。土地面積は約90坪(297・51平方メートル)で地上8階建て。権利関係は複雑だったが、2013年2月にジャスマック(本社東京)が一括で土地建物を所有する形になっていた。サラサは、テナントがすべて退店してから空きビル状態で取得し、土地には札幌信用組合(本店札幌)が5億4千万円の根抵当権を設定している。
 飲食店ビルとしてリノベーションするか、インバウンド需要を見越したホテルにコンバージョンするか、空きビルとして売却するか。同社では、この3つの中から活用策を探っていくとしている。
 サラサのグループ会社、イコヨ(本社札幌)にも動きがあった。イコヨは今年6月、所有していた北区北8条西4丁目の土地を全国系ホテルチェーンのアパグループ(本社東京)に売却。アパは大手不動産企業が保有している隣接の土地も取得する予定で、合わせると総面積は360坪(約1200平方メートル)になる。アパではこの土地を使って客室数318室のホテル建設を計画しており、道内のグループホテルとしては「アパホテル&リゾート札幌」(南区川沿4条2丁目)に次ぐ客室規模となる。
 アパが道内で展開しているホテルは、いずれも既存ホテルから運営が切り替わったもので、自ら建物を新設して運営するのは今回が初めてとなる見込み。開業時期は未定で、現在はタイムズの時間貸し駐車場として活用されている。ある不動産業者は、「アパにとって、札幌への不動産投資としては最大規模になるのではないか。総投資額はおそらく100億円以上で、グループの旗艦ホテルのひとつになるだろう」と話す。

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