【シリーズ・住宅不動産情報】⑳──活発化する札幌中心部のオフィスビル売買
「建てるよりも買う」選択を建設コストの上昇が後押し

2024年07月号

常口アトムが取得する「プレスト1・7ビル」

再開発やビルの建て替えが進んでいる札幌市中心部。建設が進み外観が見えてきた新ビルもあって街が活気づく一方で、北海道新幹線札幌延伸の遅れや建設費高騰、人手不足などで不動産業界の見通しは不透明。そうした中で、市中心部にある既存ビルのM&Aとも言えるビルの売買が目立っている。地場の不動産業者も積極的にビル取得に動くなど、先行きが読めない中でも動きが活発だ。直近の3ケースを見てみよう。

(佐久間康介)

藤井ビルが高値で落札


 賃貸マンション・賃貸オフィス事業などを展開している藤井ビル(本社札幌)は今年4月、札幌市中央区大通西8丁目の「第一三共札幌ビル」を取得した。
 大通公園に面した南大通側に立地しているこのビルは、「札幌ビューホテル大通公園」の東隣とあってロケーションは抜群。敷地面積は約245坪(約811平方メートル)で、鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造の9階建てとなっている。延べ床面積は約1830坪(約6042平方メートル)。2010年4月に竣工した、この界隈では比較的新しいビルだ。
 土地と建物を所有していた第一三共(本社東京)は、「札幌支店」を三井JPビルディング内に移転したため同ビル売却を決め、今年入札を行なった。入札には十数社が応札したといい、大半が30億円前後を提示した中で藤井ビルは40億円台を提示。落札に成功したとされている。
 取得額は非公表だが、業界ではこの金額が決め手になったと見ている。藤井ビルの担当者は、「大通公園に面した利便性の良い立地とワンフロア100坪という広さを生かして、賃貸オフィスの利用を図っていく」と話す。
 同社は札幌で賃貸オフィスを約60棟展開しており、中心部では「札幌駅前藤井ビル」(中央区北3条西3丁目)などを所有。大通公園に面したオフィスビルとしては、本社が入っている大通藤井ビル(同区大通西11丁目4)に次ぐ2棟目。同社では、取得した新ビルの名称を「F-60(エフロクマル)」として入居募集を開始している。

藤井ビルが取得した「第一三共札幌支店ビル」

サムティが取得して解体工事が始まっている「ホンダ札幌ビル」

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