請求人として陳述に臨む田原氏(左端)
(4月22日午後、道庁別館11階)
寿都のまちの介護福祉を一手に担い、昨年に創立70周年を迎えた社会福祉法人徳美会(本部寿都町・徳野幸代理事長)。
現在6期目の寿都町長、片岡春雄氏(74)と関係が深いとされるこの社会福祉法人が、運営する特別養護老人ホーム「寿都寿海荘」(定員50名・以下寿海荘)の建て替え工事に伴う補助金を事実と異なる内容で申請し、不当に北海道から交付させたなどとして町民の男性が行なっていた住民監査請求で4月22日午後、札幌市中央区の道庁別館で本人が意見陳述に臨んだ。
この男性は本誌の関連記事でも証言していた田原誠氏(75)。田原氏が問題にしているのは、先述のように老朽化などを理由に同町の歌棄(うたすつ)地区で運営されてきた寿海荘をまちの中心部に移転新築する事業。総事業費は土地の取得費を含めて約20億円で、北海道からの補助金約2億円を差し引いた約18億円を過疎債を財源にして町がまかなうもの。このほど竣工し、6月のオープンを待つばかりになっている。
事業主体は社福ながら費用や手続きの面で事実上、町が丸抱えで進めてきた事業と言っていい。
この中で田原氏は、施設建設に決定に至る経過や工事業者の選定、補助金申請などについて疑義があるとしてかねてから住民監査請求を行ない、道が受理していた。