2024 釧路特集
サンエス電気通信・宮田昌利社長に訊く
基幹産業の衰退で正念場の経済 危機感共有し新産業の芽を育成

2024年04月号

サンエス電気通信 社長
宮田 昌利氏(Miyata Masatoshi)

かつての基幹産業の衰退に伴い人口減少が進み、数年以内にピーク時から半減する見通しの釧路市。地元経済界の危機感は強く、新産業育成は喫緊の課題になっている。そうした中でサンエス電気通信の宮田昌利社長(63)は「釧路新産業創造研究会」を立ち上げ、新たな産業の芽を育もうと東奔西走。就任した会長の在任期間を3年間とし、その間に次の釧路を担う人材育成に全精力を注ぐ考えだ。「K-Biz」(釧路市ビジネスサポートセンター)や「ラポールくしろ」の活動など、まちづくりのムーブメントは確実に醸成されつつある。地域経済のキーマンのひとりである宮田社長に釧路再興のポイントを訊いた。

(2月24日取材 佐久間康介・工藤年泰)

|会長在任を3年間に限定 世代を繋ぐ役割に徹する|


 ──日本製紙釧路工場跡地にジョイフルエーケーなどが出店する動きもありますが、釧路経済の現状をどう認識していますか。
 宮田
 かなり厳しい状況であり、地元の経済人たちも危機感を強く持っています。人口は現在約16万人弱ですが、毎年約3千人ほど減少しており、10年間で約3万人減る計算。近いうちにピーク時の約23万人(1980年)から半減するのは確実でしょう。
 こうした危機感を元に、以前から活動してきた「釧路産業クラスター創造研究会」を「釧路新産業創造研究会」に衣替えし、3年間という凝縮した期間で次の産業の芽を育成している最中です。
 私は、20年ほど前から札幌と釧路を行き来しており、札幌ではIT起業家のビジネス交流の場である「札幌ビズカフェ」にも関わってきました。当時は「ミレニアムを迎えた北海道は、このままではいけない」という危機感から、地域で新しいチャレンジをしようというムーブメントが沸き起こりました。その時に学生だった入澤拓也さんや石井宏和さんが、その後、エコモットやグーニーズグループを起業、現在の活躍に至っています。
 ──あの時の北海道と同じように、釧路は今、大転換期に入っていると。
 宮田
 これまで「釧路産業クラスター創造研究会」で長く取り組んできたIT、DX、AIといった分野に加えて水産加工やサプリメント、植物工場、陸上養殖、海面養殖といったフードテックなどを研究しようと40代、50代の若手の経営者たちに集まってもらっています。私は今年で64歳。世代の繋ぎ役として新しい産業のチャレンジャーが育つような環境づくりに徹したい。
 ──釧路新産業創造研究会の概要を聞かせてください。
 宮田
 昨年5月に発足し、会員は民間企業や地元金融機関、釧路根室圏産業技術振興センターなどの約30人で構成されています。月1回のペースで勉強会を開いており、IT系、バイオ系、観光系、エネルギー系、フード系など、石炭、製紙といった基幹産業からシフトチェンジをしていかなければならない喫緊の課題に取り組んでいます。
 水産では陸上養殖、海面養殖もあるでしょう。また青果類に関しては、植物工場も重要な選択肢です。新しい領域にシフトチェンジをしていかなければ、釧路の未来はありません。

(みやた・まさとし)1960年4月21日釧路市生まれ。学習院大学卒業、小樽商科大学大学院商学修士。サンエス電気通信を中核にSEMS やシーエーブイなどから成るサンエスグループのトップを務める。釧路新産業創造研究会会長、北海道ニュービジネス協議会副会長、釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム座長など公職多数。63歳

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「デジラポ」で学ぶ子どもたち
※写真は「ラポールくしろ」提供

(みやた・まさとし)1960年4月21日釧路市生まれ。学習院大学卒業、小樽商科大学大学院商学修士。サンエス電気通信を中核にSEMS やシーエーブイなどから成るサンエスグループのトップを務める。釧路新産業創造研究会会長、北海道ニュービジネス協議会副会長、釧路根室圏まちとくらしネットワークフォーラム座長など公職多数。63歳

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