アークス・横山清社長が2024年の食品スーパー業界を展望
私も会社も発展途上

2024年03月号

アークス本社に隣接する旗艦店「スーパーアークス山鼻店」(札幌市中央区)

オーバーストアの調整局面
今年がその端緒の年になる


食品スーパーマーケットで全国5番手の売上高を持つアークス(本社・札幌市中央区)。同社を率いる横山清社長は、大学卒業後に就職した商社から子会社の食品スーパーに出向を命じられてこの道に入り、以来62年に亘り激動の業界を生き抜いてきた。横山氏の半生は、道内のみならず全国の食品スーパーが歩んできた歴史そのもの。同氏は今年5月に89歳を迎えるが、今もトップとして全国を飛び歩く。業界の“生老病死”を目の当たりにしてきた横山氏の眼に、2024年の食品スーパー業界はどう映っているのか──。現役経営者による縦横無尽の語りを読者にお届けしたい。

(佐久間康介)

コロナ特需の後で試される食品スーパー各社の「実力」


 ──今年の食品スーパーマーケット業界をどう展望していますか。
 横山
 食品スーパー業界は今、オーバーストア、オーバーカンパニーの状態にあることは間違いない。コロナ禍によって特需(内食の増加)があったが、特需の後には必ずその反動がくる。実際、今は食品の相次ぐ値上げによって表面的に売り上げはカバーされているが、現実にはこれは見せかけのものであって、本質的なところで格差がつき始めている。好調と言われているスーパーであっても、格差に晒されている企業はあるとみている。
 米国では、コロナの政府支援で過剰に積み上がった個人の預貯金が底をつき始めたと言われている。インフレなど景況に対する危機感はもっと高まるのではないかという観測もある。まさしくそういう景気の読み方を、私は日本でコロナが始まった時からしていた。それに加えて全てのコストが相当に上がってきている。それらにつれて不動産価格も上がってきているが、いずれ調整の局面を迎えるだろう。
 バブルの頃、数十億円で建設したGMS(総合スーパー)の店舗が、バブル後には数千万円レベルになった事例を、私は経験している。そうなることを待っているわけではないが、私はオーバーストア、オーバーカンパニーの状況は、いずれ調整されていくだろうとみている。

(よこやま・きよし)1935年芦別市生まれ。60年北海道大学水産学部卒業後に野原産業入社。61年、ダイマルスーパーに出向、85年同社代表取締役社長、88年金市舘の営業部門である丸友産業と合併、ラルズ誕生と同時に代表取締役社長、2002年福原との経営統合によりアークス誕生と同時に代表取締役社長に就任。一般社団法人全国スーパーマーケット協会会長など公職多数。88歳

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