苫小牧・老舗ガス業者で“独裁”か
「ぶん殴ってやりたい」

2024年02月号

親会社の苫小牧ガスは苫小牧市などの出資で 1961年設立、2019年から現社長の采配となった
(苫小牧市の苫小牧ガス・苫ガス燃料 本社)

公益企業でパワハラ疑い
被害男性が社長など提訴


「ぶん殴ってやりたい」「ふざけんな」「本当に馬鹿」――。聴くに堪えない罵詈雑言の発信元とされるのは、苫小牧市のガス会社。被害を訴える男性は3年前に起きた事故を機に社長から理不尽なハラスメントを受け続け、心を病んで休職せざるを得なくなったという。労働災害の認定を経て損害賠償請求裁判に踏み切ったのは、理不尽な被害の再発防止を願うため。地域のライフラインを担う公益企業には一日も早く正常な職場に戻って欲しいという。

取材・文=小笠原 淳

暴言などで鬱、労災認定


「今の社長には責任をとって退いて貰い、まともな会社に戻して欲しいと思っています」
 そう語るのは、苫小牧市のガス会社「苫ガス燃料」で取締役を務めていた男性(63)。同業大手の関連会社から現在の勤務先に転職して18年ほどになるが、ここ1年半あまりは職場に足を運ぶことができていない。社長から理不尽なパワーハラスメントを受け、心を患ったためだ。
「3年前に起きた事故の責任を押しつける発言に始まり、能力や人格を否定するような言葉を受け続けることになりました」
 男性によれば、ハラスメントが常態化したのは遅くとも一昨年の1月ごろから。社内では、録音データで裏づけられているだけでも「ぶん殴ってやりたい」「なめるなよ」「ふざけんな」「話にならん」「本当に馬鹿」などの暴言が日常的に放たれ始めた。加えて、役員報酬の引き下げや取締役解任などの不本意な取り扱い。挙げ句に退職を促され、精神的に追い込まれた男性は不眠や食欲不振、手の顫えなどに悩まされることに。同年6月には出勤できなくなり、医療機関を受診した結果、鬱の発症が認められた。

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(昨年12月下旬、札幌市内)

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