オホーツク特集
紋別市長 宮川 良一氏 (Miyakawa Yoshikazu)
痛手受けた汚職事件を乗り越え市政の信頼回復と活性化に全力

2023年12月号

紋別市長 宮川 良一氏 (Miyakawa Yoshikazu)

目玉政策のひとつだった本州からの移住を推進する「避暑地化構想」を巡る汚職事件で大きなダメージを受けた紋別市。幹部職員の逮捕・起訴もさることながら、関連事業の停滞や職員の萎縮という二次的な影響も見過ごせない。全国2位と好調なふるさと納税、ビジネス・観光で入り込みが回復するなど明るい材料も増えてきたが、医師不足による地域医療の危機は解消されず、中国による日本産水産物の輸入禁止の影響も懸念される。汚職事件の検証も道半ばで、待ったなしの状況が続いている宮川良一市長(69)に今後の市政の舵取りを訊いた。

(10月27日収録)

|「避暑地化構想」にダメージ 移住定住政策が足踏み状態|


 ──昨年暮れに起きた「避暑地化構想」を巡る汚職事件についての受け止めや思いは。
 宮川
 贈賄で逮捕された元市職員の会社役員は議会でも評価されていた人物、収賄側の室長は私が信頼を置いていた部下でしたので、こういう事態に至ったのは極めて残念、無念に尽きます。今回の事件は、任命権者である私の不徳の致すところで本当に申し訳なく思っています。
 ──人口減が進む中、「避暑地化構想」は、まさに移住を呼び込む政策の柱のひとつだった。
 宮川
 外国人との共生を含めた避暑地化構想は、当市の政策の柱と言っても良いものでした。今回の件で関係部局の職員や関係者がある意味で萎縮してしまった面は否めません。現在、「市不正事案等検証委員会」で事件の検証作業が進んでおり、当初は9月に予定していた報告が11月にずれこむ見通しと聞いています。報告を謙虚に受け止めながら一歩でも前に進められるように努力したい。
 ──中国による日本産水産物輸入停止は、地元の水産業にどのような影響を及ぼしていますか。
 宮川
 紋別漁協によると、ホタテは、計画通りの水揚げ(計画3万4千トン、9月末までの実績3万4千150トン)がなされていますが、昨年に比べ価格が下がっており(9月末188・02円/キロ、昨年同期203・63円/キロ)、収益減少が懸念されています。ホタテやナマコの輸出先がなくなり、大量の在庫で保管経費が嵩んでいる水産加工会社もあり、取引価格の下落もあり経営への影響も懸念されます。
 ──ふるさと納税で、応援のためにホタテを返礼品に選ぶケースが増えているとか。
 宮川
 本市へのふるさと納税では、9月の寄附実績のうちホタテ関係の返礼品件数は、前年同月比2・5倍となっています。10月からふるさと納税の経費ルールが厳格化されたため駆け込み需要の影響も考えられますが、一方で中国による日本産水産物輸入停止に対する応援メッセージも多く見られ、全国的に支援が広がっていると感じています。

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(写真はホタテの水揚げ)

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