道警不祥事から考える〈66〉
現金盗、未発表か

2023年12月号

同僚のお金を盗んだ巡査の処分は報道発表されていない可能性が高い(7月19日付『処分説明書』)

道警不祥事“第3四半期”速報
盗撮報道の巡査には“余罪”も


2023年もまた、懲戒処分などの全件公表を免れる“特権”は揺るがなかった――。地元警察の直近の不祥事記録を紐解くと、相も変わらず未発表が疑われる事案が複数あったことが見てとれる。うち1件は地元紙の独自取材であかるみに出ることとなったものの、ほかの報道大手が後追いするには到らず、別の1件は報道された形跡がない。定期的な公文書開示請求であきらかになった事実、取り急ぎまとめて報告を。

取材・文=小笠原 淳

複数回盗撮・つきまとい


 まずは、2カ月ほど前に発信された新聞記事を。
《道警が7月、道迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで、道内の警察署に勤務する20代の男性巡査を書類送検していたことが28日、分かった。道警は7月26日付で巡査を減給10分の1(6カ月)の懲戒処分とし、巡査は同27日付で依願退職した》
  (『北海道新聞』8月29日付朝刊)
 地元紙が北海道警察の未発表不祥事を独自に発掘し、報道した。本誌が3カ月ごとにそれを繰り返す傍ら、警察記者クラブに加盟する報道大手はここしばらくほとんど関心を示していなかったが、ここに来て不意に監視の眼が増えることになったようだ。記事によれば、処分を受けた巡査はスマートフォンで女性を盗撮した疑いで捜査を受けていたという。のちに本稿記者が入手した公文書にはこれに加え、ストーカー行為の疑いも記録されていた。2つの処分理由を『処分説明書』の文言通りに記すと、左のようになる。
《第1  令和4年5月4日及び令和5年3月3日に、女性1名に対し、スマートフォン等を使用して、スカートの下から同人の衣服等で覆われている臀部等を撮影》
《第2  令和2年8月12日及び同月27日に、女性1名に対し、その後方から無言で追随する等のつきまとい行為等》
 いずれも報道発表されず、道新以外のメディアが報じた形跡もない。

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7月19日処分の実弾誤射事案は発生当初から大きく報道され、次頁の『監督上の措置一覧』にも上司とみられる職員への制裁の記録が(道警が一部開示した『懲戒処分一覧』)

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