パネリスト6人が活発な意見を交わした公開討論会(8月21日夕、札幌市内)
一般社団法人札幌青年会議所(札幌JC)は8月21日夕、札幌市中央区の共済ホールで「北海道・札幌2030冬季オリンピック・パラリンピック公開討論会~あなたは賛成?反対?~」を開催。参集した約400人が白熱した議論に聞き入った。
冒頭、主催者の札幌JC・井口優理事長は、「この討論会を通じて、より一層冬季オリパラ招致への理解を深めていただき、賛成、反対の判断に繋げてもらいたい」と挨拶した。
この日、パネリストとして参加したのは札幌市長の秋元克広氏、長野オリンピック金メダリストの船木和喜氏、元衆議でタレントの杉村太蔵氏、弁護士で同市の五輪汚職再発防止検討委員会委員を務める大川哲也氏、キャスターの佐藤のりゆき氏、ジャーナリストの田原総一朗氏(オンライン参加)の計6人。ファシリテーターは、フリーアナウンサーの佐藤麻美氏が務めた。
この日のテーマは、「招致・開催の意義」「開催経費や施設整備費を投じる価値」「汚職や談合の不正防止」「札幌の未来にとってオリパラは必要か」の4つ。
まず秋元氏は、「大会経費は施設整備費と運営費からなるが、新たな施設は造らず、オリンピックがあってもなくても更新に必要な施設整備費を計上している。運営費には税金を投入せず、IOC放送権料の分配金や国内のスポンサー収入、チケット収入で賄いたい。そこで集まった金額に見合った大会にする」と税金投入をしないことを強調した。
オリンピアンである船木氏は自身が長野大会で金メダルを獲得したことに触れ、「歓迎された中で競技ができたことはとても良かった。開催地での歓迎が選手たちの最高の表現に繋がる。札幌大会も賛成が増えることを願っている」と希望を述べた。
これを受けて杉村氏は、基本的には開催に賛成としながら「税金を使わずにスポンサー資金などで大会をやれるようにしてほしい。東京大会もそうだったが、オリパラに政治家が前面に出過ぎている。JOCが先頭に立って誘致を推進して、それが決まってから政治家に後方支援してもらうのが良いのでは」と述べた。