新たなまちづくりに挑む函館・大泉潤市長に訊く
函館再生を掲げスタート 市民に寄り添う市役所に

2023年08月号

函館のトップとして歩み出した大泉市長

(おおいずみ・じゅん)1966年江別市出身。札幌北高を経て早稲田大学法学部卒業。95年函館市役所に奉職。総務部秘書課長、保健福祉部次長、観光部長、北海道観光振興機構理事、保健福祉部長を歴任。2022年7月末に退職し、同年10月函館市長選への出馬を正式表明。23年4月23日初当選。57歳

新幹線乗り入れは道南全体の起爆剤

4月23日投開票の函館市長選で現職の工藤寿樹氏に挑み初当選した大泉潤氏(57)。人気俳優の兄という知名度もさることながら、待ったなしの人口減少や地域衰退への強い危機意識が市民の共感を呼び、9万8174票と工藤氏に4倍もの票差をつけて圧勝した。就任後は喫緊の物価高対策や人口減対策はもとより、目玉政策でもある「北海道新幹線の函館駅乗り入れ」の調査に向けた補正予算を組むなど、早くも大泉カラーを打ち出している。保健福祉部時代に培った「市民に寄り添う」感覚を今後の市政にどう生かし、函館の再生をどのように進めていくのか、胸の内を大泉市長に訊いた。

(6月16日取材 工藤年泰・佐久間康介)

|100億円を目指す「ふるさと納税」では確かな感触|


 ──現職に4倍の得票で当選してから1カ月半。現在の心境や圧勝の理由をどのように考えていますか。
 大泉
 今は任務を全うすることで頭がいっぱいです。票差については、急激な人口減少や閉塞感の中で、地域を変えてほしいという思いが強かった結果だと思います。特に告示後、選挙カーで走り始めると声をかけてくれる市民がものすごく増え、応援の熱い思いがダイレクトに伝わり身の引き締まる思いでした。
 ──市政運営の要である人事ですが、内部から田畑浩文氏と佐藤聖智子氏の2人を副市長に引き上げました。この狙いや今回の人事全般で配慮したことは。
 大泉
 単純に適材適所ということです。田畑副市長については、これまでも特別職、企業局長を務めており、常に重要な施策決定に関わってきました。一方、佐藤副市長は本人の資質もありますが、市民部で2年ほど力を発揮してきた点を評価しました。市民部は町会やコミュニティの声を聞く行政にとって要であり重要な部署です。佐藤氏の登用に伴い、総務部長を市民部に異動させテコ入れを図っています。
 ──「あって当たり前」としていた人口減問題の対策本部については。
 大泉
 議会が始まる6月28日よりも前に設置できると思います。名称は公約通りの「人口減少対策本部」です。ここでは私が本部長になり、必要に応じて開く会議に関係部署の部長が参加する形になります。
 ──6月15日に2023年度の補正予算案を発表されましたが、事前に喫緊の課題として物価高対策を挙げられていた。
 大泉
 市長就任後5月の臨時議会で、子育てをしている困窮世帯に5万円を支給することを決議しました。対象にならない子育て世帯にも2万円を、低所得者についても国の臨時交付金を使って3万円を支給します。これまでは住民税非課税世帯より少し所得の高い世帯にはほとんど支給されない状態でしたので、枠を広げた形です。実行は概ね8月以降だと思います。

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