首相批判封殺の波紋㉘
「これでは終われない」
傍聴席が拍手に満ちた一審判決とは対照的に、高裁判決の法廷は重苦しい空気に包まれた
(6月22日午後、札幌市中央区の札幌高等裁判所前)
一部逆転判決に双方上告 野次排除国賠、最高裁へ
「社会通念に照らして客観的合理性を有する」。1年あまり前にほぼ全否定された警察官たちの行為が一転、司法のお墨つきを得た。首相演説野次排除事件をめぐる争いで、6月下旬に札幌高等裁判所が示した結論だ。一審が認めた表現の自由に関する判断こそ変わらなかったものの、当事者2人のうち1人への排除行為を軒並み適法とする一部逆転判決。警察・市民の双方が上告に踏み切ったことで、舞台は地元を離れて最高裁へと移ることになる――。
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。54歳
一審判決の一部取り消し「安倍やめろ」に逆転敗訴
安倍晋三氏銃撃事件の直後、札幌地裁には原告勝訴判決に批判的とみられる投書が少なくとも1通届いていた
(記者の公文書開示請求に対して地裁が一部開示した文書)
「判決は『結論ありき』で、裁判所は証拠を都合よく当て嵌めた」と国賠弁護団ら(6月22日午後、札幌市内)
丸山道議の問いに北海道警の鈴木本部長は「法律に基づいて措置を講じた」と答弁――この翌日、道警は敗訴部分について上告した
(7月5日午後、北海道議会本会議場
「判決は『結論ありき』で、裁判所は証拠を都合よく当て嵌めた」と国賠弁護団ら(6月22日午後、札幌市内)
安倍晋三氏銃撃事件の直後、札幌地裁には原告勝訴判決に批判的とみられる投書が少なくとも1通届いていた
(記者の公文書開示請求に対して地裁が一部開示した文書)
丸山道議の問いに北海道警の鈴木本部長は「法律に基づいて措置を講じた」と答弁――この翌日、道警は敗訴部分について上告した
(7月5日午後、北海道議会本会議場
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