Interview
北海道観光振興機構の小金澤健司会長に訊く【PART1】
組織改革に振るった大ナタ 自主財源確保で機能強化へ

2023年07月号

ベンチャー企業経営者ならではの采配を振るう小金澤会長

(こがねざわ・けんじ)1960年5月生まれ、愛知県名古屋市出身。名古屋芸術大学中退。コールセンター起業のために来道し、2000年5月札幌でアイティ・コミュニケーションズ設立、08年12月北海道マーケティング総研設立、14年11月クール北海道設立、15年8月MILAIイノベーション設立。5年前アイティ・コミュニケーションズで会長に退き、22年6月に北海道観光振興機構会長に就任。63歳

「頼れる、稼げる機構」がキーワード

公益社団法人北海道観光振興機構の大改革がスタートする。北海道観光連盟の発足から77年、今の機構になってから10年。北海道観光が大きく変化する中で時代に即した組織への脱皮を目指す。そのリーダーは、国内初のウェブコールセンター、アイティ・コミュニケーションズ(本社札幌)の創業者で昨年6月に機構のトップに就いた小金澤健司会長(63)だ。就任早々大ナタをふるうことを宣言し、それから1年。いよいよ今期からかつてなかった改革が本格的に始まる見込みだ。重厚長大という古い殻を破り、新しい組織に生まれ変わることができるのか。「北海道観光の明日」を考える連続インタビュー第一弾をお届けする。

(5月29日取材 佐久間康介・工藤年泰)

|芸大中退からベンチャー起業 オンリーワンに拘った事業家|


 ──まずは経歴から。
 小金澤
 昭和35年5月、名古屋市出身です。名古屋芸術大学を6年で中退した、芸大生にありがちな親不孝の極みです(苦笑)。
 ──芸大での専攻は。
 小金澤
 工業デザインのインテリア専攻だったのですが、大学3年の時に陶芸に変え、ろくろを回し始めました。しかし、1学年を2回しかやれないということをその時に初めて知り、結果的に中退に(笑)。ただ「陶芸ではメシは食えない」と悟り、先輩が経営しているデザイン事務所に入った。しかし数年でその事務所も閉鎖となってしまい、それから新卒のように就活して27歳でサラリーマンになったしだいです。
 ──どんな業界に入ったのですか。
 小金澤
 デザイナーとして金融系の関連会社に就職したのですが、実際にはデザインの仕事はあまりなかった。担当した広報や宣伝の部署がマーケティングに関係していたのでマーケティングのプランナーに就きました。それがテレマーケティングとの出会いでしたね。

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