“核のゴミ”レポートPART34 最終処分地の選定に向けた「事前調査」をめぐる状況
地層処分は壮大な虚構
寿都町の住民グループが開いた地質見学会のひとコマ。道教育大名誉教授の岡村聡さんから寿都湾一帯の「水冷破砕岩」の成り立ちなどを学び、処分場として適さない地質が広がっていると再認識。この問題は立地調査をめぐる争点のひとつになる(2022年6月)
国が前のめりになる中、寿都と神恵内は概要調査に向かうのか
2020年11月に後志管内の寿都町と神恵内村を対象に始まった“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた「文献調査」が終わり、新たな局面を迎えた。政府は今年4月に地層処分に関する基本方針を改定し、これまで以上に権力と札束をちらつかせて立地調査を推進する方策を示し、長崎県の対馬では文献調査への応募が取り沙汰されている。ふたつの町村が今後、次の「概要調査」に向かうのかどうか──住民投票の行方とも絡んで目を離せない。「トイレなきマンション」を放置し、原発の負の遺産を増やした歴史を追認するのではなく、北海道の宝である一次産業や観光を軸にした地域振興を進めることがあらためて問われている。
(ルポライター・滝川 康治)
地域資源を発掘する営みを続け「原子力マネー」に頼らぬ地域へ
(すえだ・かずひで)1957年生まれ。1980年~ 2017年の間、大阪府職員として環境行政に従事。各地の脱原発運動や消費者運動にも参画。現在、「はんげんぱつ新聞」編集長
岩宇4町村と寿都町の住民らが続ける「地域づくりプラン」の検討委(5月21日、岩内町内で)
「概要調査まで進むべき」との立場を示す片岡雄町長(21年10月、寿都町長選の最終日)
岩内町の高台から望む泊原発。「原子力マネー」に頼らない地域づくりには課題が山積している
岩宇4町村と寿都町の住民らが続ける「地域づくりプラン」の検討委(5月21日、岩内町内で)
「概要調査まで進むべき」との立場を示す片岡雄町長(21年10月、寿都町長選の最終日)
岩内町の高台から望む泊原発。「原子力マネー」に頼らない地域づくりには課題が山積している
(すえだ・かずひで)1957年生まれ。1980年~ 2017年の間、大阪府職員として環境行政に従事。各地の脱原発運動や消費者運動にも参画。現在、「はんげんぱつ新聞」編集長
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