“核のゴミ”レポートPART34 最終処分地の選定に向けた「事前調査」をめぐる状況
地層処分は壮大な虚構

2023年07月号

寿都町の住民グループが開いた地質見学会のひとコマ。道教育大名誉教授の岡村聡さんから寿都湾一帯の「水冷破砕岩」の成り立ちなどを学び、処分場として適さない地質が広がっていると再認識。この問題は立地調査をめぐる争点のひとつになる(2022年6月)

国が前のめりになる中、寿都と神恵内は概要調査に向かうのか

2020年11月に後志管内の寿都町と神恵内村を対象に始まった“核のゴミ”最終処分場の候補地選定に向けた「文献調査」が終わり、新たな局面を迎えた。政府は今年4月に地層処分に関する基本方針を改定し、これまで以上に権力と札束をちらつかせて立地調査を推進する方策を示し、長崎県の対馬では文献調査への応募が取り沙汰されている。ふたつの町村が今後、次の「概要調査」に向かうのかどうか──住民投票の行方とも絡んで目を離せない。「トイレなきマンション」を放置し、原発の負の遺産を増やした歴史を追認するのではなく、北海道の宝である一次産業や観光を軸にした地域振興を進めることがあらためて問われている。

(ルポライター・滝川 康治)

地域資源を発掘する営みを続け「原子力マネー」に頼らぬ地域へ


 泊原発の地元4町村(岩内町、共和町、泊村、神恵内村)の住民団体や“核のゴミ”最終処分地の事前調査で揺れる寿都町の住民らが進める、原子力マネーに頼らない地域づくりの活動が2年目に入った。
 5月21日、泊原発立地4町村住民連絡協議会が岩内町内で開いた「原発関連交付金・税に頼らない地域振興プラン」の作成委員会。座長を務める北海学園大名誉教授の小田清さんが、この1年間を振り返った。
「『振興プラン』の冊子やパンフレットをつくり住民や自治体、議員らに配布し、自分たちで地域を創っていく雰囲気にしたかったのですが、原子力マネーが地域を支配する中での調査はなかなか難しいと感じた。寿都町には『地域資源がありながら、核ゴミ(交付金)に傾斜する』という構図があり、(この話題はタブー視されて)町民からの意見聴取はかなり困難なことでした」
 それでも福井県美浜町議の松下照幸さんの講演会や、「原発に頼らない町づくり」をテーマにしたパネルディスカッションを開催し、今ある「地域資源」をまとめる作業を続けてきた(22年8・11月号を参照)。

(すえだ・かずひで)1957年生まれ。1980年~ 2017年の間、大阪府職員として環境行政に従事。各地の脱原発運動や消費者運動にも参画。現在、「はんげんぱつ新聞」編集長

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