◆ 2023 統一地方選/函館市長選候補予定者に訊く
大泉 潤 氏(新人)
子どもと教育への投資こそ地域の未来を拓く大きな鍵

2023年04月号

「多くの人が函館をあきらめている現状を変えたい」と訴える大泉氏(2月21日、後援会事務所)

市民を「置き去り」にしない函館に

注目を集める函館市長選で現職に挑むのが新人で元市役所幹部の大泉潤氏(56)だ。人気俳優・大泉洋氏の兄としても知られる大泉氏は、昨年7月に保健福祉部長の肩書を返上。市役所を退職し「市民が誇りを取り戻せるまちにしたい」と名乗りをあげた。地元の人口減少問題を強く憂慮する大泉氏は、何より未来のために子どもと教育への投資が必要だと訴える。長年、行政マンとして同市に務めてきた大泉氏に、今回の出馬の理由と自身が描く「これからの函館」を訊いた。

(2月21日取材・工藤年泰)

|市民のまちに対する失望感が出馬を決めた最大の理由|


 ──出馬するに至った経緯や思いをお聞きしたい。
 大泉
 観光部や保健福祉部時代に、いろいろな業界や市民の人たちと接する機会がよくありました。町会の役員さんや民生委員、在宅福祉委員など見守りをしてくれる人たちと会う中で、多くの人に「このまちにいても仕方がない」と失望感が広がっているのを感じました。
 こういう大人の思いは子どもにまで伝わっていく。僕は30年ほど前に函館が大好きで移住してきた人間だから、こんなことがあってはならないと思いました。市民が誇りを取り戻せるまちにしたい。そんな気持ちから出馬を決めました。
 ──直近の保健福祉部長時代に決意を固めた。
 大泉
 昨年7月に市役所を辞めましたが、出馬を決めたのはその直前です。ただ1997年に函館で開催された世界星形城郭サミット(五稜郭サミット)を国際交流課時代に担当した時に、首長というものが視野に入った記憶があります。9カ国10都市の首長と接したことが、きっかけです。
 ──函館市役所での勤務年数は。
 大泉
 1995年の採用なので27年です。住民と直接会って要望や苦情を受けながら、それをできる範囲でプラスにしたい。大学時代からそんな思いがあり、市役所ではそのことを最も心がけていました。役人としての最大の収穫は住民や業界の要望、声を聞き、少しでもそれに応えてきたこと、その蓄積です。
 ──訴えている人口危機問題ですが、減少率が激しいのは、どの辺りに原因があるのでしょうか。
 大泉
 函館に限った話ではありませんが、死亡率と出生率を見た時に、亡くなる世代が今すごく多いということがまずあります。社会減の要因については「選ばれないまち」になっていることへの対応が十分ではなかったのかもしれません。函館は私学の多い土地ですが、看護師を目指すための4年生の大学もない。

(おおいずみ・じゅん)1966年江別市出身。札幌北高を経て早稲田大学法学部卒業。95年函館市役所に奉職。秘書課長、保健福祉部次長、観光部長、保健福祉部長などを歴任。2022年7月市役所を退職し市長選へ出馬を表明。56歳

(おおいずみ・じゅん)1966年江別市出身。札幌北高を経て早稲田大学法学部卒業。95年函館市役所に奉職。秘書課長、保健福祉部次長、観光部長、保健福祉部長などを歴任。2022年7月市役所を退職し市長選へ出馬を表明。56歳

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