道VS市民団体 北海道百年記念塔の行方
記念塔存続派の一番長い日

2023年03月号

知事などに宛てた解体中止の要請書が提出されていたほぼ同時刻に、現場では解体工事が開始された
(1月23日、野幌森林公園)

解体中止を求める抗議活動の最中に塔の鋼板を剥がした重機のショベル

札幌市厚別区の野幌森林公園にある巨大なモニュメント・北海道百年記念塔。老朽化による部材落下の危険性や維持管理費が多額に及ぶなどの理由から、所管する北海道は2019年の段階で解体を決定。一方で維持存続を求める市民団体などは、それを覆そうとこれまでさまざまな抗議活動を展開してきた。22年10月には道や鈴木直道知事を相手取り解体差し止めを求める住民訴訟を札幌地裁に提起。この動きと連動して訴訟費用の支援を求めるクラウドファンディングでは、23年1月までの募集期間で目標額の3倍強となる1045万円(支援者数1400人)が全国から集まった。その第2回口頭弁論の前日、1月23日には塔存続を訴える大規模な活動を展開したが、奇しくもその日、記念塔を解体する重機が唸りをあげて動き始めた──。

(髙橋貴充)

道庁、道議会の対応に怒り


 1月23日、午前9時を過ぎた頃からさっぽろテレビ塔の下には、北海道百年記念塔の解体中止と存続を訴える人々が集まりだした。その数およそ40人。うち30人ほどは東京を拠点に活動する「北海道百年記念塔を支える会」のメンバー。その全員が自費で来札したとのことで、藤岡信勝氏・小島孝之氏の共同代表2名の姿もあった。なお藤岡氏は「新しい歴史教科書をつくる会」の創設者かつ現在は副会長で、出身は岩見沢市。小島氏はアジアの人権運動を中心に活動する(一社)自由インド太平洋連盟の事務局長で、出身は札幌市と両名とも北海道とつながりのある人物だ。余談だが小島氏は芸人・小島よしお(次男)の実父でもある。
 沢山の修学旅行生がテレビ塔見学に訪れる中、藤岡氏が声をあげる。
「北海道百年記念塔が今、打ち壊されようとしている。北海道、まさに行政がこれを破壊しようとしているわけです。私たちはそれにストップをかけるために行動を起こしたところです。
 なぜテレビ塔前で集会をしているのか。それはさっぽろテレビ塔は約70年前にできて、これを解体しようという話はどこからも出ていない。(一方で)わずか50数年しか経っていない北海道百年記念塔を壊さなければならない理由は全くないんです。

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さっぽろテレビ塔の下、修学旅行生とニアミスする中で活動開始

マスコミも並走して道議会、道庁へ

藤岡氏(右)、小島氏(中)が塚田文化局長に要請書を提出

道議会議長宛ての要請書は東貴弘秘書室長(左)が受け取った(右は野地氏)

田中議員会長(右)に要請書を提出

道政記者クラブでの会見(左から海堂氏、小島氏、藤岡氏、土屋氏、野地氏、菅原氏)

解体現場を行き来する大型車両

決起集会では北海道百年記念祝典の模様を紹介する動画を上映

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