旧統一教会の被害者・苫小牧在住の高倉信幸さんが実名告発
「青春を返してほしい」

2022年12月号

「当時味わった苦しさは今でも忘れられない」と話す高倉さん
(11月2日午前、苫小牧市内の自宅で)

軟禁と洗脳、そして暴力─ 若い世代への勧誘実態とは

大学に入ってからボランティア活動を装った、統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の下部組織から誘いを受け、やがて強引に入会を迫られた体験を赤裸々に綴った手記が編集部に届いた。一文を綴った苫小牧在住の高倉信幸さん(63)は当時、教団の研修先で幹部から暴力を受けたうえ軟禁状態に置かれ、40年経った現在も心身に傷を負ったままだ。生活保護を受けながら市営住宅で暮す高倉さんは「私が世間にお役に立てることがあるとすれば、統一教会の勧誘の巧妙な手口、そして異常なまでの執拗さをお伝えすることだと思います」と話す。手記をもとにした本人の語りに耳を傾けてもらいたい。
(構成=工藤年泰)

弟のために医療を目指す


 ここ数カ月、統一教会の問題がマスコミを賑わせています。私はいま63歳ですが、誌面を借りて若い頃に統一教会から受けた被害を告発したい。若い世代のお子さんがおられる親たちに警鐘を鳴らすことで、同様の被害に遭わないよう気をつけてほしい一心からです。私の話をひとごとや昔のことと片付けないでもらいたい。今も彼らは常に若い人たちを狙っているはずです。
 私は夕張市の片田舎、紅葉山で長男として生まれましたが、5歳違いの弟は数万人にひとりという難病、軟骨異栄養症(軟骨細胞の異常で四肢短縮型の低身長となる疾患)を抱えていました。
 生まれながらの重度身体障害者2級。そんな自分の息子が不憫だったのでしょう。母が泣いている姿を私は何度も目にしたものです。そのことによる両親のさまざまな苦労、そして子どもに対する愛情の深さを私は彼らの後ろ姿で学びました。

「家庭教師の教え子が成長していくのが唯一の生き甲斐」だという

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北大に入学した頃の高倉さん(左端)。作業療法学科の仲間たちと研修先で(昭和57年5月)

高倉さんが暮らす苫小牧の市営住宅

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