【創刊50周年 特別インタビュー】 旭川発・地域メディアの役割と課題
あら探しばかりでは地元で人も企業も育っていかない

2022年11月号

もりやま・りょう)1954年旭川市出身。旭川北高、杏林大学医学部卒業。旭川医科大学整形外科、札幌医科大学麻酔科、旭川赤十字病院を経て85年に医療法人元生会理事長に就任。森山病院を中核にして医療と福祉を展開する森山グループ代表。北海道病院協会理事、旭川日英協会会長、FMりべーる(旭川シティネットワーク)代表取締役社長。68歳

社会医療法人元生会 理事長 森山 領氏

全道ブラックアウトの時に住民を助けた地域FMの力


 ──ネットメディアやSNSの台頭で中央、地方を問わず紙媒体などいわゆるオールドメディアが苦戦しています。
 森山
 インターネットでは、今起きたことを記事や投稿で即座にアップできるなど紙媒体とはスピード感が全く違う。そういう面では威力があります。その一方、特にSNSなどでは匿名で好き勝手なことを書き、無責任な情報が独り歩きする危険性がある。ネットにはそういう意味でのリスクが常につきまとっていると思います。
 ──ネット記事は変更、削除することもできますが、紙媒体はそうはいきません。
 森山
 紙媒体とネットでは責任の度合いが全く違う。だから私は紙媒体は減ってもなくなることはないと考えています。私が関わっているラジオ媒体もいっとき「早晩なくなる」と言われ、確かに往時に比べると聴取率はかなり減った。でもコミュニティ放送全体の調査で、今の若者はラジオを好むということが分かっています。地上波や衛星放送など既存のテレビコンテンツに目がいかなくなり、YouTubeなどで自分の好きなものを観ている。格闘技などもテレビではやらなくなってきました。テレビもネットにやられているんですよ。
 ──森山先生が社長を務めている旭川のコミュニティ放送局「FMりべーる」ができたのはいつ頃ですか。
 森山
 1993年に開局し、来年30周年を迎えます。地元の経済人が立ち上げ、その後、文化放送の編成局長だった方にバトンタッチした。私で3代目の社長ということになります。
 ──それまでは、ひとりのパーソナリティとしてやっておられた。
 森山
 2000年4月から「トゥディズターゲット旭川」(毎週水曜午後8時~9時放送)として始まり、23年目に入りました。当時の社長が文化放送時代にやっていた番組で、毎日パーソナリティが変わる1時間の生放送の評判が良かったので旭川でもやろうと。スタート時からこの番組名ですが、最初の10年間は朝の7時からの放送。月曜日から金曜日まで医者、弁護士など毎日違うパーソナリティが担当していた。でもそれぞれ忙しい立場の方々で、最後に残ったのが私。確かに皆、嫌になるよね。ゲストを呼ぶにしても朝7時からでは(笑)。

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旭川では森山氏が株主を務める「北海道経済」以外に「メディアあさひかわ」も発行されている(いずれも月刊誌)

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