戸建て住宅が並び始めた「グリーンタウン東茨戸」
旧札幌テルメのシャトレーゼ ガトーキングダム サッポロにほど近い札幌市北区の東茨戸地区が戸建て住宅地として注目を集めている。2019年末、79区画から始まった宅地分譲は偶然が重なり、その後続々と造成が進み、予定を含めると250区画を超える計算に。若い世代の一次取得者が多く、一家4人と想定すると千人近い住民が増えることになる。まさに令和のニュータウンの様相だ。住宅不動産情報シリーズの第1回をお届けする。
(佐久間康介)
最初にこの地区で宅地造成を進めたのは北海道都市開発事業協同組合(事務局・札幌市中央区)。道内の中堅ハウスメーカーや建設関連業者20社がつくる協同組合で宅地造成し、ハウスメーカーに卸す業務を行なっている。東茨戸2条1丁目にあった元農家8戸が所有していた6870・48坪(2万2712・33m2)の農地を取得して、農地転用、宅地に造成したのが2019年11月。「グリーンタウン東茨戸」と命名された。
同組合はコスモ建設(札幌市豊平区)、三愛地所(同市東区)、三王建設興産(同市西区)、ジョイフルホーム(同)、住まいのクワザワ(同市白石区)、大進ホーム(同市東区)、大鎮キムラ建設(同市東区)、ホーム企画センター(同市北区)、北海荘建(同市東区)、ミウラホームズ(同市北区)、ユニバーサルホーム(同市中央区)の11社にこの宅地を売却。各社は、建築条件付宅地(土地売買契約後3カ月以内にハウスメーカーと建築請負契約を締結することが条件)として販売、79区画はほぼ完売になった。宅地面積は1区画165・24m2から200・47m2、販売価格は433・4万円(9区画)から644万円(1区画)、最多価格帯は500万円台(45区画)だった。
同組合がここで宅地造成を進めている頃、隣接地を所有する帯広の事業者が同組合に所有地の売却を打診してきた。広さは4781・59坪(1万5806・92m2)。元々は札幌の建設会社の所有地で、同組合が取得を打診したものの断られた経緯があった。建設会社はその後、この帯広の事業者に売却。事業者は太陽光発電を計画したが周辺住民の苦情などが予想されたため断念、同組合に売却を持ちかけたというわけ。「購入したかった隣接地を偶然にも取得でき、東茨戸地区の宅地分譲に弾みがついた」と同組合の荒山義久営業部長。
こうして始まった「グリーンタウン東茨戸」第2期は、2021年10月に50区画の造成が完了。