LED騒動に揺れる北斗市役所
函館の隣にある北斗市(池田達雄市長)が手掛けた総額1億1800万円弱のLED化事業が一者随意契約だったことをめぐる問題の続報だ。住民監査請求は棄却されたものの、このほど施設の一部で蛍光灯がLEDに交換されていなかった契約不履行が発覚。引き渡しの際に業者と市がともに確認を怠っていたという杜撰さが明るみになった。さらには照明灯の積算が水増しされていた疑惑も浮上するなど、道南で起きたLED騒動はまだまだ収まりそうにない──。
(本誌編集長・工藤年泰)
北斗市が2020年と21年に行なった市内5カ所の公共施設におけるLED照明リース事業で、大阪の照明機器会社イーシームズ(前号でE社と表記)と総額1億1767万円の随意契約を結んだことが問題視されているのは既報の通りだ。
その決定や発注金額の是非をめぐり春先から議会で追及を受けてきたほか、6月には市民13人が契約解除の勧告などを池田達雄市長に求めて住民監査請求を起こした。
だが、市監査委員会(野口秀一代表監査委員)は調査の結果、「随意契約したことに違法・不当な点は認められず、事業費は適正であった」とし、8月29日付で請求を棄却。住民側が事実証明書として示したLED事業者で札幌に本社を置く株式会社あかりみらい(前号でA社と表記)の見積りについては、市の結んだ契約とは内容が大きく異なっているとして採用されなかった。同社の見積りはイーシームズより4700万円以上安価だったが、監査委員会は、全ての施設の照明器具が少なく積算されているなどとして「(見積り金額の)信憑性に疑いを持たざるを得ない」と一蹴している。
ところが監査委員会の判断とは裏腹に、イーシームズ側の工事や市側の対応が問われることが最近次々と起きている。
高村智市議(市政クラブ・2期)の「リース契約を結んだ浜分小学校の一部の照明が蛍光灯のままになっている」との指摘を受け、9月29日に現地調査を行なった市は10月3日の議会で工藤実副市長が結果を報告。同社との契約に含まれている照明5灯がLEDに交換されていなかったことを認め、「市として確認が不十分だった。深くお詫びする」と陳謝に追い込まれたのだ。