告発・絶望の学府⑱
全容解明、近からず

2022年10月号

掘り起こされた過去の事案の中には、被害告発の声が上がった江差高等看護学院以外のケースが複数あることがわかっている(紋別市の北海道立紋別高等看護学院)=撮影・工藤年泰

ハラスメント告発から丸2年
道立看護・待たれる真の救済


本誌などが昨春から報告を続けている、公立看護学校のパワーハラスメント問題。本年8月に入って在学生自殺事案など過去の被害で再調査が始まり、当事者の聴き取りや資料の開示が進んでいることが伝わった。一方、未だ関与教員からの謝罪を得られていない被害者もおり、また長期間の通院を余儀なくされている元学生からは改めて充分な補償を求める声が。真っ当な被害回復は、今なお道半ばにあると言ってよい。

取材・文 小笠原 淳



学生自殺事案で資料開示


 北海道立江差高等看護学院で教員のパワーハラスメントを告発する声が上がり始めてから、まもなく丸2年が過ぎる。
 告発から半年を経た昨年春には事態が表面化し、学院を運営する北海道が第三者調査委員会を設置、在学生らへの聴き取り調査などを通じて昨冬までに2カ所の学院で計53件の被害事実を認定した。追って関与教員ら10人が懲戒処分の対象となり、被害学生に対しては個別に慰藉料が提示され、また一部では教員による謝罪の場が設けられた。今春には複数の休学生が復学を果たし、つつがなく1学期の課程を終了。在学生らの被害告発は実を結び、ここにきて道立看護学院は運営の正常化を果たしつつあるかのように見える。
 だが。
 本誌など既報の通り、当事者らの求める救済はまだ完全には実現していない。前号までに報告した未了のケースはその後、どこまで進展をみたのか――。

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