道東・新興メディアの舞台裏で
船出直後の波瀾

2022年08月号

地元紙の灯は受け継がれたが…
(根室市のネムロニュース社)

新装地域紙で労使間トラブル 労基、ネムロニュースに勧告

この春に産声を上げた地方紙で、編集現場の混乱が続いている。発端は、労働環境の改善を求めて組合を結成した記者たちが取材・執筆の現場から逐われた異例の人事。創刊時の過重労働などを訴えていた記者らは問題を労働当局に持ち込み、6月末には賃金未払いの是正勧告に到った。7月に入ってからは労働委員会への救済申し立てが受理され、労使間の緊張はなお続きそうな様相。紙面の劣化を指摘する声も聴かれる中、生まれたばかりの新聞社では今、何が起きているのか――。

取材・文=小笠原 淳



異動発令、労組結成翌日


 6月30日付で釧路労働基準監督署から賃金未払いなどの是正勧告を受けたのは、根室・釧路管内で日刊紙を発行するネムロニュース社(根室市)。3月31日に社名と同じ名前の新聞を創刊してから、ちょうど3カ月が過ぎていた。
 勧告のきっかけは、6月に発足した同社労働組合による告発。ネムロ社では3月1日から創刊準備の取材・編集作業が始まり、記者職で採用された2人がほぼ無休で勤務、創刊を挿んで5月末まで適正な休暇をとれない状況が続いたという。この間、深夜勤務を含む時間外労働が日常的に発生していたにもかかわらず、入社時に会社が明示した時間外勤務手当などは支払われなかった。
 創刊時のネムロ紙には記者が3人いたが、紙面づくりの中心となっていたのはおもに先の2人だったという。1人は道内紙の元記者で、もう1人は民間企業の広報職経験者。2記者は5月に入ってから未払い手当の精算や労働時間の見直しを求め、ほかの従業員の賛同も得て社に速やかな対応を申し入れた。

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