北海道のエンタメ企業・スガイディノスが民事再生
再スタート直後を襲ったコロナ
りそな銀の支援打切りで破綻へ

2022年07月号

オープン後もコロナ禍で客足が伸びなかった「サツゲキ」(札幌市中央区)

スガイディノス(札幌市中央区)が負債約23億円を抱えて経営破綻した。5月30日、同社は札幌地裁に民事再生法の適用を申請。今後はスポンサーの支援、協力を受け経営再建を目指す。紆余曲折を経ながらも、スタートから100年を超えて北海道のエンターテイメント文化を発信し続けてきた「スガイ」は、その灯を守り続けることができるだろうか。
(佐久間康介)








百年以上続くエンタメの灯


 スガイディノスのルーツは、1917年から芸能などの公演を行なっていた札幌劇場。戦後の48年に松竹の封切館として再開し、54年に設立された須貝興行が事業を引き継いだ。その後はボウリングブームに乗り道内外に15のボウリングセンターを運営する。しかしブームの終焉とともに12カ所を閉鎖し、映画館や貸しビルに振り向けた。70年代後半に入ると、スペースインベーダーなどによるゲーム需要が大きく拡大。ビリヤード人気やカラオケの普及などエンターテイメントの変化に対応しながら成長を続けた。
 1996年には社名をスガイ・エンタテインメントに変更。日本証券業協会の店頭市場に登録してからは、当時のマイカル北海道と提携した共同出店が続き、2000年にゲオと業務提携してビデオレンタルやリサイクルに進出、04年にはジャスダック市場に株式上場した。05年にはTOB(株式公開買い付け)でゲオの完全子会社になり上場廃止を経て09年にゲオディノスに社名変更、フィットネス事業も始めた。14年には健康コーポレーション(現RIZAP)グループに入り、SDエンターテイメントに社名変更する。
 しかし2018年に、RIZAPグループとのシナジー効果がないとして、ゲーム、ボウリング、シネマの3事業を新設分割したスガイディノスが承継。地場ファンドの北海道SOキャピタル(札幌市中央区)が出資するスガイディノスHD(同)が全株式を取得し現在に至っている。
 ルーツの「札幌劇場」から数えて今年は105年目になるが、エンタメの多様化とともに社名変更は5回、大きな資本の移動も3回に及ぶなど、文字通り紆余曲折を経て北海道のエンタメ文化の灯を承継してきた。
 2018年12月に新生スガイディノスとしてスタートを切ったものの、翌19年6月には創業の地であり本拠地だった「スガイディノス札幌中央店」をビル所有企業の既定路線で閉館せざるを得なくなり、多難な門出となった。

「スガイディノス札幌中央店」の閉店にはプロゲーマーの「高橋名人」や数百人のファンが別れを惜しんだ(2019年6月2日)

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