広域紋別病院の医師流出問題を追う【3】
「個別の回答は差し控える」

2022年06月号

オホーツク西紋地区の医療拠点である広域紋別病院(市内落石町)

弁護士を盾にして数々の疑問に口を閉ざす病院側

広大なオホーツク西紋地区の医療を預かる広域紋別病院(曽ヶ端克哉院長・150床)の医師流出問題の続報だ。昨年秋から今年1月にかけて副院長をはじめとする常勤内科医3人が相次いで病院を去る異常事態はなぜ起きたのか。本稿では、その疑問に対して寄せられた病院側の「公式回答」を紹介したい。4月中旬に委任弁護士から送られてきた内容は、極めて分かりやすいものだった。曰く「個別の事案についての回答は差し控えます」──。
(本誌編集長・工藤年泰)




「答えになっていない答え」


「取材は全て弁護士を通して」と通告されている中で、記者は4月号(3月15日発売)までの内容を踏まえた質問事項を広域紋別病院の代理人である弁護士法人 棚瀬法律事務所の板谷直人弁護士(東京弁護士会)に3月29日付で送付した。回答期限を1週間後の4月5日としたが、編集部に返事が届いたのは5月号の〆切を過ぎた4月11日。その内容は質問によっては無回答もしくは一般論にとどまり、肝心な部分は「回答は差し控える」のオンパレード。いわば「答えになっていない答え」と言わざるを得ないものだった。
 今回の質問事項と病院側の回答は次のとおりだ。
【1】2022年3月号および4月号で報じた記事に関する事項
 ①事実関係に関する見解と評価、感想などについて。
 ──回答の記載なし──
 ②3月号の報道後、直接取材を拒否し、対応を弁護士に一任した理由について。
 ──回答の記載なし──
【2】広域紋別病院の現状と課題に関する事項
 ①オホーツク西紋地域で必要とされている医療とはどのようなものだと考えているか。
「西紋別地域5市町村に住む地域住民の安心した暮らしを支えていく医療と考えています」

広域紋別病院の曽ヶ端克哉院長
(同病院のHPより)

広域紋別病院の曽ヶ端克哉院長
(同病院のHPより)

遅れる移転計画
課題山積み北海道医療大の北広島移転

厚真の砂利採取場で起きた産廃不法投棄問題を追う

江差パワハラ死問題で交渉決裂
道「因果関係」否定貫く

つしま医療福祉グループ 「ノテ幸栄の里」が新築移転
地域包括ケアの拠点として在宅生活を支援

遅れる移転計画
課題山積み北海道医療大の北広島移転

厚真の砂利採取場で起きた産廃不法投棄問題を追う

江差パワハラ死問題で交渉決裂
道「因果関係」否定貫く

つしま医療福祉グループ 「ノテ幸栄の里」が新築移転
地域包括ケアの拠点として在宅生活を支援

目次へ

© 2018 Re Studio All rights reserved.