地元紙・80年めの迷走〈6〉
権力監視、今は昔

2022年06月号

新人記者逮捕事件からまもなく1年、社内ではまだその余波が消え去っていない
(札幌市中央区の北海道新聞本社)

記者逮捕問題、道新の幕引き 報道幹部の人事には失意の声

昨年6月に起きた、北海道新聞の新人記者逮捕事件。本誌前号発売直前の4月中旬、道新社内では編集幹部の処分などが決まり、追って事件に対する社の認識が明かされた。同下旬には宮口宏夫社長が初めて逮捕問題に言及し「非常に重く受け止める」などと発言。前後して労組が関連団体などと共同で声明を発表し、改めて当時の警察の対応などを批判している。道新自身の紙面からはすでに姿を消した問題、その後の動きを追った。
取材・文 小笠原 淳
1968年小樽市生まれ。地方紙記者を経て2005年からフリー。「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に『見えない不祥事』(リーダーズノート出版)。53歳


記者実名表記「適切だった」


 本誌など既報の通り、その事件が起きたのは昨年6月22日のこと。
 その日、旭川医科大学の学長解任問題を取材していた北海道新聞旭川支社報道部の新人記者が、同大の施設内で大学職員に“常人逮捕”された。建造物侵入の疑いで同記者を調べた地元警察は約2日間にわたってその身柄を拘束、事後も長く在宅捜査を続け、本年3月になって同記者を含む2人を書類送検するに到る。これを受けた検察は同月末にいずれも不起訴処分とし、発生から9カ月を経て事件はとりあえずの決着を見た。
 新人記者が取材目的で大学に立ち入ったことは、当初から誰の眼にもあきらかだった。これを「侵入」容疑で調べ続けた警察の対応にはメディア関連団体などから批判の声が上がったが、会社としての道新はこの間、捜査のあり方に何の疑問も呈していない。事件当時の紙面では逮捕を「遺憾」としつつ、当該記者を「容疑者」呼称で実名報道していたほどだ。

団交で示された社長の見解は、現場の疑問に答えるものにはなっていなかった
(4月22日付『労務情報』)

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