告発・絶望の学府⑬
免職0人「軽過ぎる」

2022年05月号

ハラスメント教員の処分が伝わったのは、新年度を迎える直前だった
(3月29日夕、札幌市中央区の北海道本館庁舎)

江差パワハラ・教員処分決定 議会では学生の自殺事案追及

事態の表面化から1年、関係者の処分がようやく伝えられた。複数の教員の関与が認められた、北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題。3月末に懲戒処分に到った加害者は10人を数え、中心人物とされる教員はほどなく職を辞したが、被害者の評価は「処分が軽い」。公式な謝罪表明はついになく、関与教員の一部は新年度も教壇に立ち続けることに。地元議会では過去の事案が掘り起こされる動きもあり、完全な問題解決はなお遠いと言えそうだ。
取材・文=小笠原 淳




“主犯”の副学院長は停職 開かれた場での謝罪なし


 発表は、年度替わり直前だった。
「皆様のお受け止めとして『遅過ぎる』といったことはあろうかと思います」
 声の主は、北海道保健福祉部の地域医療推進局長。3月29日午後、看護教員らの懲戒処分を伝える会見での釈明だ。
「当然、これで終わりということではありません。再建に向けてやっていかなければならないことは多数ありますが、1つのお答えは出せたのではないかと」
 本誌面で繰り返し報告してきた通り、道立高等看護学院のパワーハラスメント問題では昨年10月、第三者調査により教員11人の関与が認定されている。うち江差看護学院の副学院長ら10人がこの日、ようやく公式に処罰を受けることになった(残る1人は3年前に退職)。加害認定から5カ月あまりを経て伝えられた当事者への制裁は、処分理由も含めてそれぞれ以下の通り。

2会派からの自殺事案追及に、道は再調査の可能性を否定しなかった――写真の保健福祉部長は3月末退職
(3月23日午前、北海道議会保健福祉委員会)

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道「因果関係」否定貫く

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配置換えとなった4教員は、2階左上の執務室で過ごしていたとみられる――うち1人が退職、残る3人も看護教育から離れることに
(昨年11月、檜山管内江差町の江差保健所)

審査請求では請求人の意見陳述が認められているが、撮影・録音は不可
(昨年12月8日午後、札幌市中央区の北海道別館庁舎)

北海道保健福祉部・開示文書(一部)
審査請求前1

北海道保健福祉部・開示文書(一部)
審査請求後1

審査請求前2

審査請求後2

審査請求前3

審査請求後3

審査請求前4

審査請求後4

審査請求前5

審査請求後5

審査請求前6

審査請求後6

審査請求前7

審査請求後7

審査請求前8

審査請求後8

審査請求前9

審査請求後9

審査請求前10

審査請求後10

審査請求前11

審査請求後11

配置換えとなった4教員は、2階左上の執務室で過ごしていたとみられる――うち1人が退職、残る3人も看護教育から離れることに
(昨年11月、檜山管内江差町の江差保健所)

審査請求では請求人の意見陳述が認められているが、撮影・録音は不可
(昨年12月8日午後、札幌市中央区の北海道別館庁舎)

2会派からの自殺事案追及に、道は再調査の可能性を否定しなかった――写真の保健福祉部長は3月末退職
(3月23日午前、北海道議会保健福祉委員会)

北海道保健福祉部・開示文書(一部)
審査請求前1

北海道保健福祉部・開示文書(一部)
審査請求後1

審査請求前2

審査請求後2

審査請求前3

審査請求後3

審査請求前4

審査請求後4

審査請求前5

審査請求後5

審査請求前6

審査請求後6

審査請求前7

審査請求後7

審査請求前8

審査請求後8

審査請求前9

審査請求後9

審査請求前10

審査請求後10

審査請求前11

審査請求後11

遅れる移転計画
課題山積み北海道医療大の北広島移転

厚真の砂利採取場で起きた産廃不法投棄問題を追う

江差パワハラ死問題で交渉決裂
道「因果関係」否定貫く

つしま医療福祉グループ 「ノテ幸栄の里」が新築移転
地域包括ケアの拠点として在宅生活を支援

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